【7時間目の授業は心理です】

思春期~青年期の方をターゲットに心理学をお話ししていきます。

【#47社会について】少子高齢社会の現状を知ろう

心の中で・・・「起立、礼、着席」

 

みなさん、お疲れ様です!心理カウンセラーのルンタです。

それでは今日も短時間で解説をはじめますよ~

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さて今回は、「少子高齢社会」について話をしていこうと思います。

現代社会の構造は、心理学と密接に関わっているので、しっかりと押さえておきましょう。

 

時は令和。日本国における出生数は、ついに1年間でおよそ70万人の時代となってしまいました。

これが今から約75年前、第1次ベビーブーム時に生まれた通称「団塊の世代」と呼ばれる方たちは、1年間で約268万人生まれたため、約4倍も現代の出生数より多い事がわかります。

 

第1次ベビーブームは1947~1949年とされており、戦後間もない時期にあたります。

この当時の日本は、敗戦したばかりで復興の時期。まだまだ経済も何もかもがぼろぼろの状態でした。

ですが、戦争が終わったことによる社会の変化や、構造の改革で一気に日本は変わっていきました。

 

一番大きいことは憲法の改正ですね。「大日本帝国憲法」という天皇主権から、「日本国憲法」という国民主権になっていったのです。

天皇が集中して権力を持つ状態から、国民一人一人が平等で、それぞれに人権があることを明記されるようになり、生きる意味や考え方も大きく変わっていったのではないかと思います。

 

ということで、国民それぞれは生存権社会権自由権など様々な基本的人権を手にして復興にあたっていく。そんな時代の幕開けが団塊の世代の方たちなのです。

その団塊の世代の方たちが、75歳以上を迎える、つまり後期高齢者になっていくことを「2025問題」と呼んでおり、ニュースなどで取り上げられているかと思います。

 

2025問題はとてもむずかしい問題ではありますが、簡単にまとめると、「後期高齢者の人口割合が増え、それに合わせて社会保険料などの社会保障の負担が増大していく」ということです。

 

少し前の平成では「少子高齢化社会」と呼ばれることもありました。

私が小学生の頃の社会の授業では、確かに教科書に少子高齢化社会と書かれていましたし、そう教わりました。

ですが現代は、もう高齢化どころではありません。今の日本は超高齢社会と呼んでいる社会学者も多いです。

 

こちらの引用させて頂いた人口ピラミッドは、国立社会保障・人口問題研究所が作成した2020年のものになります。

2020.png (5400×3000) (ipss.go.jp)

見て頂ければすぐにわかると思いますが、もはや逆ピラミッド型になっています。

高齢者が多く、子どもの割合が少ないことが一目瞭然です。

 

 

では、今から約60年前の人口ピラミッドを見てみましょう。

・・・いかがでしょう?

もはや完全に別の国のようですよね。これが60年前の日本の人口割合です。

きちんとピラミッド型になっています。こんなに変わったのです。

 

 

高齢者が増えたのは、医療や科学技術の進歩が大きく関わっています。言い換えれば平均寿命が延びたということですね。

令和の日本人平均寿命は男性約81歳、女性約89歳と言われています。

これが約70年前の1955年だと、男性の平均は約64歳、女性は約67歳でした。

およそ20年も長生きできるようになったので、それはもう必然的に高齢者の割合が増えていったのです。

 

反面、日本の出生数はどんどんと低下していっています。主要先進国の中でもワーストに近いくらいの出生率をとなってしまっている現状です。

高度経済成長→バブル景気が終焉を迎えた後の30年は、長い長い不況の時代であり、経済が停滞した日本では、子どもを産み・育てるということに対するハードルがものすごく高くなり、生みたくても生めない。育てられないという現状があります。

 

私も児童福祉の世界にいたので、よくわかりますが、子どもは生んで終わりではありません。むしろ始まりであり、子育てにはお金がかかります。

しかし、社会保障等に予算が多く割かれる現状、国としては税金を上げざるを得ず、私たちの出費は増え、消費を抑えるというサイクルになってしまっています。

生んだとしても、育てられなければ育児放棄をしてしまうのです。

こうして、ネグレクトを受け一時保護をされた子供たちを沢山見てきました。

 

これでは、なかなか負のサイクルを取っ払うことはできません。

ですが、有効な解決法が見つかっていないこともまた事実です。

 

 

以上が大まかな少子高齢社会の実情です。もっと詳しく話すと、社会学や経済学になってしまうので、ここまでにしておきましょう(汗

かなり深刻な社会情勢であることがわかって頂けたと思います。

 

間違いなく、これからも高齢者の割合は増えていくので、子ども達・若い人たちの負担は増えていくと思われます。

こうした閉塞感からストレスを感じ、メンタルを病んでいかれる方もとても多いです。

 

簡単な解決はあり得ないと思っていますが、間違いなく言えることは、諦めずに色々な政策を国は取り組み続けることです。それしかありません。

もっと子ども達が希望をもって社会に飛び立てるような日本にしていかないといけません。

私にできることは、ミジンコ以下で限られていますが、心理学の側面から支援できる方法があるならば、一生懸命取り組んで、これからも発信し続けたいと思います!

 

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それでは今回はここまで!

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@LuntaCOP

 

 

【#46仕事について】休職者と退職者が増えている理由とは?

心の中で・・・「起立、礼、着席」

 

みなさん、お疲れ様です!心理カウンセラーのルンタです。

それでは今日も短時間で解説をはじめますよ~

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今回は社会人向けですが、休職・退職についての話をしていきたいと思います。

以前もうつ病の記事などでお話をしてきましたが、改めて書いていきますので、どうぞ最後までお付き合いください。

luntacop.hatenablog.com

 

さて、最近ニュースやネット記事で見ない日はない休職・退職者の増加。これはもはや社会問題になりつつあります。

どの職種においても増えている現状ですが、特に最近話題になっているのは、教育現場や建築業界などのハードな職場での離職率の歯止めがかからないということです。

 

なぜこのような現象が起こっているのでしょうか?

若者のメンタルが弱いからでしょうか?

 

そんなことはありません。というか、若者(俗にいう20代~30代前半)以外の離職者も増えてきています。よって、若者だけが辞めていっているわけではないんです。

中堅・ベテランの方たちも普通に離職していきます。

 

原因はもちろん一つではありませんが、やはり精神的な負担が増大していることが大きいのではないかなと、個人的には感じています。

精神的な負担は言い換えれば、ストレスですね。

そのストレスの質が変わり、ストレスを解消する方法も時代を重ねるにつれて変わってきています。

その流れがわかっていなかったり、世代ごとに違う価値観の相違がぶつかりまくることで、疲弊して病んでしまう方が多いように感じます。

 

携帯電話などの端末が国民に生きわたり、情報革命が起こった現代は、情報だけでなく、知識や娯楽も一気に一般化・多様化し、昔と比べると、時空の制限を超えてなんでもできるようになりました。

しかし、日本人は慣習を重んじる習性があると言われているので、どの職場においても、まだまだ情報革命以前のやり方や慣習・常識が残っていることがあります。

この仕事とプライベートとのギャップの差もまた、ストレスの原因になるのではないかなと感じています。

 

今まで何度も申し上げてきましたが、人は賢いので、自分が本当につぶれる前に回避しようとします。それが、休職であったり転職・退職になるわけですね。

もちろん、つぶれてしまってから休職・退職する方も多いですが・・・。

 

果たして、この人たちは悪でしょうか?

残された職場の人にとってみたら、確かに「穴をあけやがって」と思われるかもしれません。

でも、心の穴はもっと埋まりにくいですよね。そんなこと気にしてはいけません。

例え後ろめたい気持ちがあろうが、離職率が高い現状だろうが、仕事から離れるという選択をすることに間違いはないと思います。

 

 

問題は、休職・退職に追い込む労働環境ですよね。これが一番です。

肉体的にきつい。精神的にきつい。それだけではありません。

人間関係だってものすごいストレスになります。

 

でも、なかなかそこをマネジメントして、上手に職場環境をコントロールしている企業や職場もあります。

ですが、それを実践できているのは一握りでしょう。

次回の記事で書こうと思いますが、少子高齢社会の現代は、どんどん働き手が少なくなってきているので、基本的にどの職場も余裕がありません。

だから、忙しいことが当たり前になっていて、誰からも助けられず、誰も教えてくれず、孤独にもがいて、最終的に精神を病んでしまうのです。

 

こう考えると、職場もある意味社会的な影響を受けた被害者的な面もあるので、本当に何が一番悪いのだという原因はありません。

 

ですが、こういう現代だからこそ。もっと少なくなる未来が見えているからこそ、せめてでも職場の人間関係は良くなりたいですよね。

しかし、実際はそんな甘くありません絶っっ対に自分と合わない人はいます

その人と一緒にいる時間を我慢できるのか、耐えられるかが重要になってきますね。

もし、どうしようもないのであれば、あなたから逃げたって全然良いことですし、誰かに頼んで異動してもらえれば一番いいですが・・・。そうは上手くいかない・・・。

 

 

こんな風にざっと書いてみましたが、もうどの年代においても、企業や職場で、集団で働いている以上、ストレスから逃げることはできません。

若手なら若手なりの。中堅なら中堅なりの。ベテランならベテランなりの悩みやストレスがあるわけです。

それがいっぱいになって耐えられないから辞める。これはもう仕方のないことです。

 

ここで、「すぐに仕事を辞める奴は根性がないんだ!」と言い始める奴は、昭和の終身雇用制度時代の残像がまだ残っている、あたまタイムカプセル野郎です。

そんな人はスルーしてください。

 

今は、世はまさに「大転職時代です(by ゴール◯ロジャー)

前置きがとても長くなってしまいましたが、休職者・退職者が増えている理由の一つに、「以前よりも転職する場合が増えたから」ということも挙げられると思います。

 

皆さん。アメリカの人は人生で何回転職すると思いますか?

平均で10回くらいと言われています。

10回ですよ!?でもこれが、北米ではごく当たり前なことです。

自分に合わないなと感じたり、キャリアを考えて職場を選択することはとても自然なことなのです。

 

ですが、我々日本人は先ほども話したように、慣習を重んじてしまう生き物なので、「転職をせずに最後までその職場で仕事をやり終える」ことが当たり前だと勝手に思い込んでしまうのです。

 

ということで、情報革命が起き、誰でも簡単に色々なことを知り、情報を取捨選択できる時代になったわけですから、仕事を辞めて、新しくリスタートすることも決しておかしい事ではありません。

おかしいのは、いつまでも昔の慣習を神話化し、常識として頑なに変えようとしない人たちです。

 

もうこれからの少子高齢社会は、柔軟に考えて生きていかないといけない時代になりました。

自分のメンタルヘルスを自分で守ることも必須になってくることでしょう。

社会の当たり前や、世間体を気にしすぎて、自分を見失っては本当にもったいない

過ぎた時間は戻ってきません。もったいないことにならないよう、自分の選択に後悔が無いように皆さんには生きてもらいたいと強く思っています。

 

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それでは今回はここまで!

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【#45ADHDについて】発達障害かもしれないと感じたら

心の中で・・・「起立、礼、着席」

 

みなさん、お疲れ様です!心理カウンセラーのルンタです。

それでは今日も短時間で解説をはじめますよ~

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さて、今回は「ADHD」について話をしていきたいと思います。

何度かお話をしてますが、今回は成人期のADHDについて改めて特徴を挙げていきましょう。

 

そもそも、ADHDとは発達障害の一つであり、正式名称は「注意欠陥多動性障害注意欠如多動症)」になります。

発達障害なので、元来発達時期(児童期)に年齢と比べて、顕著な差が見られると診断されることがありますが・・・。

あまり目立たずに、診断されないまま大人になって、社会に出てから実は発達障害の特徴に当てはまっていたという、俗にいう「大人のADHD」も話題になっていますね。

 

大きな特徴としては

①注意・集中することが苦手で、抜けが多かったり、持続することも苦手

②じっとしていることが苦手で、衝動性が強い

この2つが挙げられ、これらが日常生活に支障をきたすほどの状態であると判断されると、ADHDと診断されることが多いです。

とかく、対人関係において難しさが生まれ、人と関わることが苦手であるという特徴です。

 

しかし、上記2つ以外の特徴もADHDには存在し、苦労されている方がとても多いです。

例えば・・・。

・周りのことが気になってしまい、自分の作業に集中できない。

・片付けられず、整理整頓が苦手。

・言われたことを一回だけでは覚えきれない。

・人の目が気になってストレスに感じる。

・忘れっぽく、同じミスを意図せずに繰り返してしまう。

・予定していたことが崩れると、動揺してしまう。

などが挙げられます。

 

これらは意識すれば改善することができますが、大抵の場合は無意識のうちにやってしまった後に気がつくので、「ああ、また繰り返してしまった」と罪悪感に駆られる場合もとても多いです。

 

また、これらはADHDと診断されていない人でも、結構当てはまる人がいるのではないでしょうか?

実際、私もかなり当てはまります・・・(笑)

 

仕事で小さなミスを何回も繰り返してしまい、先輩に何度も繰り返し注意されてしまって、心が折れそうになることが何度もありました。

こうなると、自己肯定感も下がっていき、自分に嫌気がさしたりして来ると、もっと心の悪循環に陥ってしまいます。

 

気がついたら、自分はADHDなのではないか?発達障害だったのではないか?と考えるようになってしまう人もいるでしょう。

しかし、それは違います。

悪循環に入ってから、さらにミスが続いたり、余計に動揺してしまうことが増えたのなら、それはストレスによる反応です。

ストレスが大きくのしかかることで、思考力が低下し、不注意さがますことで、相対的にADHDのように見えてしまうこともままあるのです。

 

以上から、よく巷で目にするADHDの特徴に当てはまったからといって、あなたがADHDであるわけではないのです。ストレスが原因でそうなってしまったということも大いに考えられます。

 

 

ですが、本当にADHDの特徴が強く出て悩まれている方も多いと思います。

現代社会は生きにくい!」と思われる方も多いでしょう。

#18でも書きましたが、職業やサービスの変化が著しく、働き方も昔と比べて大きく変わった現代は、否が応でも対人関係が働くこと・生きていく事にセットになっています。

luntacop.hatenablog.com

かといって、ADHDは最近できた症状なのかと言われたら、そうではありません

正確な数値や統計が残ってはないので、推測にはなりますが、昭和以前の昔にもADHDのような方は沢山いらっしゃったと思われます。

しかし、文化や風潮が現代とは大きく違うので、許される範囲や目立つ範囲が、ここ数年で大きく変わり、ADHDの特徴が否が応でも顔を出してくるといった具合ではないでしょうか。

 

そうした方は、煩わしいと感じる対人関係などが少ない仕事に就くなどして生きてきました。第1次産業・第2次産業(生産・製造業)はサービス業である第3次産業と比べて、対人関係が必要になりにくいですから。

また、平成になるにつれて、対人関係が必須な第3次産業の割合が増えたわけですから。仕方のない時代の流れと言っても差し支えないでしょう。

 

このように、ADHDの特徴がある人にとって、現代社会や対人関係はとても難しいものです。時には不登校の原因にもなれば、ニートや引きこもりの原因。転職を繰り返す原因にもなるかもしれません。

ですが、ADHDっぽいからと言って、人生が真っ暗になるわけではありません。そういう特徴があるからこそ輝ける。強みとして生かせる場面もあります

 

それを見つけるまでが大変だったり、縁を掴むのに時間がかかるだけで、意外と皆さんの近くに転がっているかもしれません。

病院やクリニックだけでなく、相談できる機関も今は多数存在し、ネットで検索すると結構ヒットします。

ということは、この症状・特徴に悩んでいる人が世の中にはめちゃくちゃいるということですね。

きっと共感してくれる仲間が沢山います。

諦めずに、自分に絶望せずに、一緒に乗り越えていきましょう。

 

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それでは今回はここまで!

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【#44喪失感について】手からこぼれ落ちた時の気持ちを前向きにするために

皆さんお疲れ様です!

心理カウンセラーのルンタです。

 

さて今回はコラム回です。

お時間のある方はお付き合いいただけると嬉しいです。

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今日は主に「喪失感」について話そうかと思います。

「喪の作業(モーニング・ワーク)」とはまた違いますので、そちらについてはまた別に話そうと思います。

 

皆さんも、人生で年を重ねていれば必ず、何かを失う経験をしていると思います。

何も失わずに生きてきた人なんかいません。

大切な人・友人・恋人(好きだった人)・若さ・環境・評価・地位などなど・・・

挙げたらキリがありませんよね。

 

人は生きているだけで、色々なものを手にしていきます。

それと同じだけ何かを失うようにできています。

それが人生なのだと、とある先生が話していたような気がします(笑)

 

ただ、今回はそういうことではなく、「これから手に入る」という時に、それを失ってしまった時の喪失について焦点を当てたいと思います。

 

この場合、近い未来の展望として、「思い描いていた未来がついに手に入る」と人は期待をします。自分にとってとても嬉しいことですからね。

告白でも、試験(受験)でも、就活でもそうです。自分の思い描いていた通りの結果が帰ってきたら最高ですよね。

しかし、人生そう上手くいきません。失敗して、期待していた未来が失われることがあります。

これが「喪失感」です。

 

この時の無念な気持ちというか、言葉にしがたい何とも言えない残念な感じ。本当によくわかります。

人は期待・予想していた未来が失われると、強烈なストレスがかかるようにできています。なぜなら、人は賢いからです。

賢いとは、自分がこうなるであろうという想定を立てることができるから、つまり未来を意識して生きれるからです。

 

人間以外の動物は、基本的に「現在」のみを生きています。未来を考えてそれを逆算しながら生きていくことはほとんどありません。

人間の脳も基本的には「現在」を中心に生きているのですが、その構造についてはまた別の記事で書きましょう。

 

とにかく、先を読んで未来に起きるであろうことを考えられる人間は、そうした賢さがあるのですが、それ故に、期待通りにならないと傷つく生き物なのです。

例えば、好きな人に告白して振られたときは、「この人と付き合っていたら、こんな素敵な未来があっただろうに、もうこの人とはそんなことが二度と出来ないんだ」というような「未来の喪失」を感じて落ち込んでしまいます。

受験でもそうですね。「この大学に受かっていたら、あんな素敵なキャンパスライフが待っていただろうに。落っこちてしまった。うちはお金に余裕がないから浪人もできない。行きたくない大学に仕方なくいくしかないのか・・・。」と思ってしまうかもしれません。

 

こうなると、「未来を喪失した」にもかかわらず、「過去の自分への後悔」が始まってしまいます。

「あの時ああしておけばよかった。」「もっと勉強していればよかった。」など、失った時の時間までさかのぼり、もっとこうしていれば失わずにすんだのではと考えたくなってしまう。

これが人間のいたって普通な考え方です。私もそうです。

「後悔先に立たず」という言葉があるのは分かってます。

でも、手からこぼれ落ちたときは、もうそんなこと言ってられないくらい悔しくて、残念な気持ちでいっぱいになりますよね。

 

ですが、それで良いんです。

そう思えるなら、あなたの脳や考え方は正常に作動しています。

だから、悔しい時はしばらく悔しい気持ちに浸り続けていいんです。無念な気持ちが尽きない時はそのまましばらく落ち込んで良いんです。

 

大事なのは、「無理に前向きになろうとしない」ことと「焦らない」ことです。

喪失感の次にやってくるのは、「埋め合わせ」です。この埋め合わせは、大体自分を焦らせてしまいます。

失った未来を取り戻そうと躍起になるからです。

 

しかし、悔しくて残念な時は、心に大きなストレスがかかっている時であり、負荷がかかっている状態です。

そんな時に、無理に動き回っていたら、余計に無理がかかってしまいますよね。

それが、更なる精神的な疲労と失敗に繋がってしまうこともあるのです。

 

だから、先ほど申し上げた通り、残念な時はしばらく残念だと思っていいんです。そういう自分に浸ってあげてください。

時間がたてば、必ず次のきっかけがやってきます。その時まで落ち込んだ時の自分に寄り添ってあげてください。

 

失った原因が全てあなたにあるわけではありません

物事は私達の知らない所で大きく変化し、影響を受けて、私たちの前に顔を出します。

色々な人や事象が絡んでくるのです。

だから、自分を責めすぎないこと。これも大切なマインドですね。

 

落ち込みが激しくて辛い時は、誰かに相談してみましょう。それだけでも違います。

落ち込んでいる時は、だいたい顔は「下向き」になっています。

でも話す時は相手を見るために少し「上向き」になるはずです。

それが積み重なっていけば、気持ちが「前向き」になっていくはずです。

 

気持ちが前向きになれば、また新たなスタートが切れます。

1つ失ったからと言って、死ぬわけではありません。これからの未来全てが暗黒に包まれるわけではありません。

辛い時はそうは思えないかもしれませんが。

いつか必ず、その経験を乗り越えた自分がやってきます。

その自分はきっと前向きなはずです。

 

失ったことばかりを考えるのではなく、失ったからこそ開ける選択肢も出てくると思います。そこに目をつけられるようになったら、さらに素晴らしいです。

焦らずに、毎日を正直に生きていきましょう。

きっと、悩んだ分だけ次の手札になって、あなたを救ってくれるはずです。

 

 

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最後まで、私の独り言につき合って頂きありがとうございます。

今後もまた、色々なお話をしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

それでは!

 

【#43福祉について】障害者手帳とは?

心の中で・・・「起立、礼、着席」

 

みなさん、お疲れ様です!心理カウンセラーのルンタです。

それでは今日も短時間で解説をはじめますよ~

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今回は「障害者手帳」についての話をしていきたいと思います。

皆さんは障害者手帳という言葉を聞いたことはありますか?

様々な場所で福祉サービスを受けることができる障害者手帳について正しく理解しておくことはとても大切です。

簡単ではありますが、解説していきたいと思います。

 

 

まず、障害者手帳とは「身体障害者手帳療育手帳知的障害者手帳)精神障害者保健福祉手帳の3種の手帳の総称」です。

つまり、3種類の手帳が厚生労働省管轄で、交付されていることになります。

基本的には自治体(都道府県や市町村)の窓口で申請して、作成することができます。

 

それぞれの手帳についてまとめていきましょう。

厚生労働省のホームページを参照しています。

 

 

身体障害者手帳

身体障害者手帳は、身体の機能に一定以上の障害があると認められた人に交付される 手帳です。
・原則として更新はありませんが、障害の状態が軽減されるなどの変化が予想される場合は、手帳の交付から一定期間を置いた後に、再認定を実施することがあります。
身体障害者手帳制度は、身体障害者福祉法に基づき、都道府県、指定都市や中核市において障害の認定や交付の事務が行われています。
身体障害者手帳の交付申請は、都道府県知事、指定都市市長や中核市市長が指定する医師の診断書・意見書、身体に障害のある方の写真を用意し、近隣の福祉事務所か市役所にて行います。
(具体例)
視覚障害聴覚障害・肢体不自由・言語障害・心臓機能障害・呼吸器機能障害・肝機能障害・膀胱直腸機能障害 等、、、

 

療育手帳知的障害者

療育手帳は、児童相談所知的障害者更生相談所において、知的障害があると判定された方に交付される手帳です。よって、先天的な知的能力の困難さがなければ知的障害とは厳密には認定されません。
※もともとの知的水準から後天的に低下すると、知的障害とは言わず「認知症」のくくりになってきます。
療育手帳をお持ちの方は、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスや、各自治体や民間事業者が提供するサービスを受けることが出来ます。例えば、公共交通機関の運賃の割引や、公共施設等の入館料の割引などが挙げられます。
療育手帳制度は、各自治体において、判定基準等の運用方法を定めて実施されています。
(具体例)
大体、知能検査の結果で、約IQ70以下に当てはまると、知的障害として該当されます。
軽度(4度)=IQ75~51 中度(3度)=IQ50~36 
重度(2度)=IQ35以下 最重度(1度)=IQ35以下で日常的な支援が必須
これらはあくまで一例で、各自治体で区分の分け方は異なります。

 

精神障害者保健福祉手帳

精神障害者保健福祉手帳は、一定程度の精神障害の状態にあることを認定するものです。例えば、統合失調症双極性障害などの精神病を患い、日常・社会生活に支障をきたしている場合など。重度の発達障害が含まれる場合もあります。
精神障害者の自立と社会参加の促進を図るため、手帳を持っている方々には、様々な支援策が講じられています。
精神障害者保健福祉手帳の等級は、精神疾患の状態と能力障害の状態の両面から総合的に判断され、1級~3級まであります。
(具体例)
・1級(重度)=精神障害であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
・2級(中度)=精神障害であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
・3級(軽度)=精神障害であって、日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか、又は日常生活若しくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの

※精神症状としては多岐にわたり、癲癇やうつ病なども含まれるため、心理職は医師との連携を基にアセスメントしていく。

 

 

以上が、障害者手帳の大枠です。

まだまだ細かくあげればきりがありませんが、これだけ日本の障害者福祉の入り口ともいえる、手帳制度は充実しています。

しかし、行政のサービスであるが故に、完全に網羅しきることは難しく、日常生活すべての困り感をサポートできるものではありません。

手帳を持っていることで、周囲からの理解が得られやすいということが一番のメリットであると考えています。

 

ですが、障害受容というのも難しい問題としてあります。本人だけでなくその家族もまた、障害者であることを受け入れるまでに沢山の葛藤と時間を要することは言うまでもありません。

とてもデリケートな問題なのです。

 

その中で獲得した手帳は、障害をお持ちの方にとっての大切なツールであり証明になります。

もし、皆さんの周りで障害者手帳をお持ちの方がいらっしゃったら、配慮をしつつも受け入れて生活を共にしていく事が大切です。

このような考え方を「インクルージョン」と言い、障害者だからと言って分離されることなく、平等な機会を得られる環境を目指すことを指します。

 

性の多様化など、様々なインクルージョン的な話題が昨今取り上げられていますが、まだまだ世間に浸透しきっているとはいいがたいです。

いつか本当の意味でのインクルージョン社会が来る日を共に作っていきたいですね。

 

今回の記事の詳しい内容や区分などは以下の引用先ホームページからもご参照ください。

※引用先↓

障害者手帳について|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

 

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それでは今回はここまで!

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【#42不安について】なんとかなるわでなんとかなる(広場恐怖)

心の中で・・・「起立、礼、着席」

 

みなさん、お疲れ様です!心理カウンセラーのルンタです。

それでは今日も短時間で解説をはじめますよ~

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さて、今回は不安症状の一つ「広場恐怖」について話をしていきたいと思います。

以前も少し話しましたが、その対応にも触れたいと思いますので、よろしくお願いします。

 

luntacop.hatenablog.com

 

 

 

そもそも「広場恐怖」の定義とは・・・

強い不安に襲われたときにすぐに逃げられない、または助けが得られそうにない状況や場所にいることに恐怖や大きな予期不安を抱く状態」のことです。

大抵の場合、そのような状況や場所を避けたり、多大な苦痛を感じながら耐えたりしてやり過ごすことでしょう。

 

広場恐怖はれっきとした不安症状の一種で、ある意味で「閉所恐怖症・高所恐怖症・先端恐怖症」などの恐怖症と同じようなものです。

 

恐怖症というのは、恐怖の対象がはっきりとしているのでわかりやすく、周囲からも理解されやすく、本人も回避しやすいのですが・・・。

全般的な不安や、広場恐怖のような対象の広い恐怖感は不安症状と呼び、なかなか回避したり理解して貰うことが難しいのが現状です。

 

「もう、A子は本当に暗いところが苦手なんだから」とか、「B男はなんでそんなに不潔恐怖なんだ。潔癖症か?」とか、相手の目にも見えてわかりやすいですからね。

「えへへ、そうなんだ~。」と開き直って、個性にしている人もいますよね。

 

はい。この考え方。

不安症状にも使いましょうよ(笑)

 

不安は確かに、時と場所を限定しないことが多く、ましてや知らない人がいる・知らない土地とかだと、なおさらよくわからない不安が襲ってくるものです。

しかし、不安は周りの人からは見えないし、理解されないので、当時者の方は苦しんでいるのですよね

「自分が不安になっていることを悟られたくない」とか、「自分が不安になっていることで相手に迷惑をかけちゃうんじゃないか」とか思う人もいると思います。

その気持ちはとてもよくわかります。

 

ですが、だからこそ、不安にオープンになるべきなんです。

「えへへ、そうそう私すぐ不安になっちゃうんだ~。」くらいの気持ちで全然良いんです。

というか、このように開示することで周囲も理解してくれますし、ずっと楽にいられます。

 

そして、タイトルにも挙げましたが、「なんとかなるわでなんとかなる」これが考え方のミソです。

以前にも書きましたが、不安の9割は実際には起こり得ないのです。数多くの実験から実証されています。ほとんどが取り越し苦労で、何もなく終わることができます。

その上で「なんとかなる」と考えると結構楽になります。

例えば、電車が苦手で乗るのにものすごく苦痛がある人は、「もういいや、電車でなんかあっても。倒れても。具合悪くなっても。なんとかなるわ、誰か助けてくれるよ」と考えてみてください。

実際、日本の鉄道は非常に優秀ですから、絶対にあなたのことを助けてくれます。

 

鉄道以外もそうです。医療や警察・救急に消防。日本の社会には沢山のセーフティネットがあり、みんなを守ってくれる人や制度が沢山あります

あなただけがそこから省かれるなんてことはありません

そう思うと、絶対になんとかなるんです。最終的に(笑)

 

私も広場恐怖が強く出ることがありました。その時は余裕がなくて、考え方も狭かったので、なかなかこのように考えられませんでした。

いきなりでなくていいんです。少しずつ「なんとかなるわ」というキーワードを思い出してみてください。

 

このスモールステップで苦手なことにチャレンジしていくのを「不安階層法」と言い、立派な認知行動療法の一種なんですよ。

 

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それでは今回はここまで!

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@LuntaCOP

 

 

 

【#41発達について】成人という一つの区切り

心の中で・・・「起立、礼、着席」

 

みなさん、お疲れ様です!心理カウンセラーのルンタです。

それでは今日も短時間で解説をはじめますよ~

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さて今日は成人の日ですね!

成人された皆さん、本当におめでとうございます!

ということで、発達における「成人」について少しお話をしていきたいと思います。

以前も少し似たような記事を書いたので、よろしければそちらも併せて見てください。

luntacop.hatenablog.com

 

 

そもそも、成人とは何かということですが、法律的な定義で言うと・・・

単独で法律行為を行えるようになる年齢」のことであり、社会的に言えば、身体・精神的な成熟が十分とみなされる年齢であり、保護者からの養育の義務から外れる時期でもあります。

 

しかし、心の面や発達の面で成人とは何かを考えても、答えはありません。

と言いますか、発達心理学の中に成人という概念は存在しません。あるのは青年期というステージだけ。

つまり、成人という言葉は、社会が一つの目安として人間をはかり、区分けするための一つの区切りであるにすぎないのです。

 

今はその成人の年齢は18歳になりましたね。私の時は20歳でしたが・・・。

成人の皆さんは、18歳・20歳になった瞬間に「あ~、自分も大人になったな」と急にスイッチが入りましたか?その日を境に完全な大人になりましたか?

そんなことないですよね。私もそうでした(笑)

 

ということで、発達的には成人というものは存在せず、まだまだ思春期を終えて青年期に入りたてで、何もわからない一人の人間という感じがほとんどでしょう。

大人になるなんて言うのは、そんなものです。

 

 

ですが、明治時代に(民法によって)制定された20歳成人も、その前の江戸時代では全然年齢が違うのです。

男性は15歳頃、女性は13歳頃が現在の成人として扱われ、男性は前髪を切り落とし、女性は赤飯を炊いてお祝いしたとの記録があります。

時代劇ドラマなんかでよく見る元服はこんな感じですね。

 

そうなんです。昔は現代の思春期ど真ん中、現在の中学生くらいで「成人」と言われていたんですね。時代の変化は恐ろしいです・・・。

私が江戸時代に生まれていたら、到底成人らしく振る舞うことはできないでしょう(笑)。

 

 

ですが、成人は大人になるための「通過儀礼」として位置づけ、精神的な区切りとして設けることが、大きな背景としてあるのではないかと思います。

通過儀礼とはイニシエーションを和訳したもので、「成長・発達過程における、次の段階の期間に新たな意味を付与する儀礼のこと」を指します。

これは日本に限った話ではありません。世界中の国や民族で、様々な形で通過儀礼としての成人の儀があります。

日本はたまたま振袖や袴を着て、市民会館に集まって、バイクと車を乗り回すだけですが・・・(地元での偏見)。

 

『世界の果てまで◯ッテキュー』で見たアフリカの民族は、12歳くらいになると、村のなかにある一番高い櫓(やぐら)からバンジージャンプをして、無事その度胸が認められた時に、成人として迎えられるという独自の決まりがありました。

これもまた面白いですよね!成人を年齢で決めるのではなく、何か明確な基準をクリアして、自覚を持てた時に初めて成人となる。とても分かりやすく納得できるものです。

 

少し話は脱線しましたが、要するに、成人を迎えたからと言って大人になったわけではないということ。それが当たり前であることをお伝えしたかったのです。

自分が大人だと自覚して初めて、発達段階的にも精神的にも成人するのだと思います。

ただ年齢が18歳を過ぎたから成人になるわけではありません。社会や世間のルールを知り、責任の重さを理解し、それにのっとった行動を取ることができる

これが大人です。

その大人になるためのスタートを切ることがこの成人の日だと思っています。

皆さんも是非素敵な大人になって下さいね!

皆さんなら必ずなれます。人のために考えられる人が、立派な大人ですから。

 

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それでは今回はここまで!

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