【7時間目の授業は心理です】

思春期~青年期の方をターゲットに心理学をお話ししていきます。

【#44喪失感について】手からこぼれ落ちた時の気持ちを前向きにするために

皆さんお疲れ様です!

心理カウンセラーのルンタです。

 

さて今回はコラム回です。

お時間のある方はお付き合いいただけると嬉しいです。

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今日は主に「喪失感」について話そうかと思います。

「喪の作業(モーニング・ワーク)」とはまた違いますので、そちらについてはまた別に話そうと思います。

 

皆さんも、人生で年を重ねていれば必ず、何かを失う経験をしていると思います。

何も失わずに生きてきた人なんかいません。

大切な人・友人・恋人(好きだった人)・若さ・環境・評価・地位などなど・・・

挙げたらキリがありませんよね。

 

人は生きているだけで、色々なものを手にしていきます。

それと同じだけ何かを失うようにできています。

それが人生なのだと、とある先生が話していたような気がします(笑)

 

ただ、今回はそういうことではなく、「これから手に入る」という時に、それを失ってしまった時の喪失について焦点を当てたいと思います。

 

この場合、近い未来の展望として、「思い描いていた未来がついに手に入る」と人は期待をします。自分にとってとても嬉しいことですからね。

告白でも、試験(受験)でも、就活でもそうです。自分の思い描いていた通りの結果が帰ってきたら最高ですよね。

しかし、人生そう上手くいきません。失敗して、期待していた未来が失われることがあります。

これが「喪失感」です。

 

この時の無念な気持ちというか、言葉にしがたい何とも言えない残念な感じ。本当によくわかります。

人は期待・予想していた未来が失われると、強烈なストレスがかかるようにできています。なぜなら、人は賢いからです。

賢いとは、自分がこうなるであろうという想定を立てることができるから、つまり未来を意識して生きれるからです。

 

人間以外の動物は、基本的に「現在」のみを生きています。未来を考えてそれを逆算しながら生きていくことはほとんどありません。

人間の脳も基本的には「現在」を中心に生きているのですが、その構造についてはまた別の記事で書きましょう。

 

とにかく、先を読んで未来に起きるであろうことを考えられる人間は、そうした賢さがあるのですが、それ故に、期待通りにならないと傷つく生き物なのです。

例えば、好きな人に告白して振られたときは、「この人と付き合っていたら、こんな素敵な未来があっただろうに、もうこの人とはそんなことが二度と出来ないんだ」というような「未来の喪失」を感じて落ち込んでしまいます。

受験でもそうですね。「この大学に受かっていたら、あんな素敵なキャンパスライフが待っていただろうに。落っこちてしまった。うちはお金に余裕がないから浪人もできない。行きたくない大学に仕方なくいくしかないのか・・・。」と思ってしまうかもしれません。

 

こうなると、「未来を喪失した」にもかかわらず、「過去の自分への後悔」が始まってしまいます。

「あの時ああしておけばよかった。」「もっと勉強していればよかった。」など、失った時の時間までさかのぼり、もっとこうしていれば失わずにすんだのではと考えたくなってしまう。

これが人間のいたって普通な考え方です。私もそうです。

「後悔先に立たず」という言葉があるのは分かってます。

でも、手からこぼれ落ちたときは、もうそんなこと言ってられないくらい悔しくて、残念な気持ちでいっぱいになりますよね。

 

ですが、それで良いんです。

そう思えるなら、あなたの脳や考え方は正常に作動しています。

だから、悔しい時はしばらく悔しい気持ちに浸り続けていいんです。無念な気持ちが尽きない時はそのまましばらく落ち込んで良いんです。

 

大事なのは、「無理に前向きになろうとしない」ことと「焦らない」ことです。

喪失感の次にやってくるのは、「埋め合わせ」です。この埋め合わせは、大体自分を焦らせてしまいます。

失った未来を取り戻そうと躍起になるからです。

 

しかし、悔しくて残念な時は、心に大きなストレスがかかっている時であり、負荷がかかっている状態です。

そんな時に、無理に動き回っていたら、余計に無理がかかってしまいますよね。

それが、更なる精神的な疲労と失敗に繋がってしまうこともあるのです。

 

だから、先ほど申し上げた通り、残念な時はしばらく残念だと思っていいんです。そういう自分に浸ってあげてください。

時間がたてば、必ず次のきっかけがやってきます。その時まで落ち込んだ時の自分に寄り添ってあげてください。

 

失った原因が全てあなたにあるわけではありません

物事は私達の知らない所で大きく変化し、影響を受けて、私たちの前に顔を出します。

色々な人や事象が絡んでくるのです。

だから、自分を責めすぎないこと。これも大切なマインドですね。

 

落ち込みが激しくて辛い時は、誰かに相談してみましょう。それだけでも違います。

落ち込んでいる時は、だいたい顔は「下向き」になっています。

でも話す時は相手を見るために少し「上向き」になるはずです。

それが積み重なっていけば、気持ちが「前向き」になっていくはずです。

 

気持ちが前向きになれば、また新たなスタートが切れます。

1つ失ったからと言って、死ぬわけではありません。これからの未来全てが暗黒に包まれるわけではありません。

辛い時はそうは思えないかもしれませんが。

いつか必ず、その経験を乗り越えた自分がやってきます。

その自分はきっと前向きなはずです。

 

失ったことばかりを考えるのではなく、失ったからこそ開ける選択肢も出てくると思います。そこに目をつけられるようになったら、さらに素晴らしいです。

焦らずに、毎日を正直に生きていきましょう。

きっと、悩んだ分だけ次の手札になって、あなたを救ってくれるはずです。

 

 

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最後まで、私の独り言につき合って頂きありがとうございます。

今後もまた、色々なお話をしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

それでは!