【7時間目の授業は心理です】

思春期~青年期の方をターゲットに心理学をお話ししていきます。

【#57信念について】”信じる”ってなんだろう?

心の中で・・・「起立、礼、着席」

 

みなさん、お疲れ様です!心理カウンセラーのルンタです。

それでは今日も短時間で解説をはじめますよ~

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さて、今回は「信じる」とは何かをお話してみたいと思います。

 

皆さんは”信じること”って何だと思いますか?

考えてみると、なんだかよくわかりませんよね。

私達はこの信じることを「信念」と呼んだりしています。英語で「ビリーフ」と呼んだりしています。

 

ちなみに心理学における信念とは・・・

自分で信じると決めた物事ではなく、価値判断の基準としてこれまでの人生の中で生まれたもの(指針)のことを表します。

 

よって、人々は生きていく中で、①色々な価値観に出会い、②色々な刺激を受け、③それに自分を組み合わせ、④現状とすりあわせて形成していく。

このようなプロセスが出来ていきます。

このプロセスをたどった先に、「信念」が生まれるのです。

 

・・・小難しい話をしてしまいましたが、信じることというのは、、、

あなたが生きていく中で獲得した、あなたの考え方の中心となり得る骨組みというわけです。

 

情報にあふれる現代。どんな情報にも大抵アクセスして、取り込むことができます。それを取捨選択するのは、個人であり、受け取り方も千差万別です。

この千差万別を生み出すものこそ「信念」が各々違うからです。

 

逆に言えば、「信念」が同じもの同士は、受け取り方や考えること、行動の指針が同じになりやすいです。

これを上手く利用して人々を救おうとしたのが、「宗教」の始まりではないかと私は考えています。

信念をより大きく明確に具現化したものが宗教における「信仰対象」になるのではないでしょうか。

 

これ、というかこの構造、あらゆることに応用が利きます。(推し活をしているあなたなら共感してもらえるかもしれませんが)

例えば、あるアイドルグループがいるとします。ファンのみなさんは、そのグループやメンバーの活動に惹かれて、応援し信頼(信仰)します。

自分が大好きなグループやメンバーの行動・言動は肯定的に映り、周囲から見たら「推している」ように映るでしょう。

だからこそ、不祥事などがあると「信じていたのに裏切られた」と感じる人も出てくるのです。

 

しかし中には、熱狂的に信仰していて、どんなことがあっても揺るがない忠誠心・信用を傾け続ける人もいます。

「あの人はちょっと不倫してしまったけど、何も問題ないわ。」「ちょっと過激な配信だけど、私やみんなが満足しているからそれでいいの。少しの犠牲はつきものなのだから」みたいに、自分が信じているものを否定したくないがために、正義感が暴走することもあります。

これを妄信といったりします。

 

それが決して全てが悪ではありませんが、心理学的言えば、「認知に柔軟性がなく、一つのものに傾倒している。異常なほど執着している。」とみられるかもしれません。

また「誤った信念(イラショナルビリーフ)」と呼んだりもします。

 

上記の例えはアイドルの一例でしたが、宗教などより規模が大きいもの、壮大なものになると、より深くなるため、誤った信念を正すことが難しくなります。

なぜなら、信仰者はそれが自分の信念に沿っているので、ごく当たり前のもの。常識であると思っているからです。

仮に、世間からしたら”悪”でも、信念が肯定的なものであれば、その人にとっては完全に”善”として受け取っているので、良いものと信じて疑わないのです。

 

これを軌道修正、誤っていると自覚させるのは至難の業です。

認知行動療法は、まさにこれを治療していくプロセスなのですが・・・(笑)

 

 

あなたにも沢山の「信念」があります。私もそうです。

生きているうちに人は沢山の経験をして、その中で価値観や決定基準を心の中で設けます。それが信念です。

あなたが大切にしているもの」と言い換えてもいいかもしれませんね。

 

ですがこれは全人類共通なものでは当然ありません。一人一人違って当たり前です。

みんなそれぞれ違う環境・違う時代・違う文化で育つのですから。

何がその人にとっての大切な信念なのかは、全く異なるのです。

 

その信念をあなたは受け入れることができますか?拒絶していますか?

それらも、ものや程度によって異なるでしょう。

それでいいんです。絶対に譲れない部分。分かり合えない価値観の人は必ずいますから。

 

信念が似ている人とは「波長が合って仲良くなりやすい」

信念が大きく異なる人とは「話の反りが合わない。苦手」

こんな感じでしょう。これでOKです。

 

ですが、決して相手の信念を馬鹿にしたり、貶めることはやってはいけません。

傷つけること以外の何物でもありません。

これを国家同士でやれば「戦争」に繋がるのです。

決して相手が受け入れられない信念を持っていたとしても、それは個性の一部だと認識して接しましょう。

 

「信念」と否定すること。これはすなわち、相手の心の全てを攻撃することに等しいので、宣戦布告に近い行為です。

あなたも大好きな趣味を馬鹿にされたら、ものすごく腹が立つでしょう。それと同じです。

ですから、「信念」は否定するものではなく、尊重するものです。例え相容れなくても。

もし、相手の信念を少しずつ変えたいのであれば、いきなりは絶対に出来ません。時間をかけて少しずつ、徐々にやっていく必要があります。

人は抵抗感を持ちながらも行動を変えるのには、時間を要するからです。

 

中には、病的(異常)に信念を振りまいて、周りを巻き込む人もいます。そういう場合は何かの診断名がつく場合があるので、精神科や心療内科への受診を薦めたいのですが、これがまた難しい。

先程の繰り返しになりますが、信念はその人の常識と等しいので、周りに迷惑が掛かっている状態でもそれが異常と自分で認識できないのです。

その人はただ、自分の信念に沿って行動しているだけなのですから。悪いことをしているという自覚は全くありません

それこそ、その人の信念を否定しないようにしながら、自覚を促し、少しずつ認知修正を加えていくしかありません。

この繰り返しで少しずつ誤った信念(イラショナルビリーフ)を変えていく。これが心理士の役割です。

 

ちょっと雑多なまとめ方になってしまいましたが、心理学における信念について今回は話してみました。

とても複雑で繊細なものだとご理解いただければ十分です。

 

現代の世界情勢などはまさに信念のぶつかり合いで、緊迫した状態が続いています。

ウクライナとロシアの戦争。イスラム国のテロ行為。イスラエルの紛争。もう数えたらキリがありません。

過去の戦争も含めたらそれこそ、人は信念のぶつかり合いで、星の数ほど戦争を繰り返してきました。

 

ですが、戦争はどんなきれいごとを並べたとしても暴力行為です。

心理療法のような「否定をしない解決」にはなりません。実力行使の短期決戦にしかなっていません。

それじゃあいつまでたっても遺恨が残るだけです。

人も国家も同じです。

一刻も早く平和な世界と信念が理解される情勢になることを祈るばかりです(スケールがデカくてすいません笑)

 

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それでは今回はここまで!

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