【7時間目の授業は心理です】

思春期~青年期の方をターゲットに心理学をお話ししていきます。

【#56行動主義について】経験が人をつくる。全ての学習は経験に通ず(認知行動療法)。

心の中で・・・「起立、礼、着席」

 

みなさん、お疲れ様です!心理カウンセラーのルンタです。

それでは今日も短時間で解説をはじめますよ~

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さて、今回は「経験」についてを、行動・学習心理学的視点を交えて、お話していきたいと思います。

 

 

今までの記事にも沢山書いてきましたが、人は「学習」を経験として認知する生き物です。

ちなみに学習は他の動物も行います。

有名な行動主義心理学の”パブロフ”が実験した「パブロフの犬」なんかがまさにそうですね。

 

パブロフの犬についてかなり簡単に解説すると・・・

 

A:おなかのすいたワンちゃん

B:近づくと音がなる装置

C:音が鳴ると大好きなドッグフードが出てくる

このような3項がそろったとします。ワンちゃんははじめ、近づくと音が鳴ることに驚きますが、その後にご飯が出てくることに気がつきます。

この発見がもう一度起きると、ワンちゃんの中で「あれ?音が鳴るとご飯が出るようになっているのか?」という推測が生まれます。

この状況を繰り返していくと「あ、やっぱりそうだ。音が鳴るからご飯が出てくるんだ!」という確証を得ます。

このA→B→Cの一連の流れを「学習」と呼んでいるのです。

 

ちなみにこれは厳密に言うと「古典的条件付け」と呼ばれるものです。

ワンちゃんは音が鳴るとご飯が出ることを学習したため、Bの音が鳴るだけで「ご飯だワン!」と思うようになり、よだれが出るようになるのです。

この時の「音(B)」を「強化子」と呼び、音を出そうとして装置に近づいてくることが増えれば、「条件付けによって行動が強化された」と言えます。

 

 

少し小難しい話をしてしまいましたが、学習は以上のような一連の流れのことを言います。

生き物はみな、様々な条件付けが脳内にインプットされており、それが経験となって複雑に関連しあっています。人間は特に複雑で高度です。

前置きが長くなりましたが、これが学習と呼ばれるものの考え方のベースです。

 

 

では、表題の「経験が人をつくる」とは何なのか?
読んで字のごとくの(物理的な)意味でもあれば、そうでない精神論的な意味も含まれてます(笑)

 

とかく、人間は他の生き物より脳が発達しているので、学習と経験の意味がすごく大きいのです。

これは良い意味でも悪い意味でも。

達成感のある良い経験をしたら、ポジティブな学習。いじめられたり、虐待された経験があればネガティブな学習。そう捉えがちです。

 

しかし、人間だからこそ、その上の「認知」というステージに立ち、ネガティブを乗り越えてポジティブに到達することができるのです。

この考えが加わって、体系化していったのが「認知行動療法」ですね。

 

前回も話した失敗はどの生物もします。自発的な失敗は学習して繰り返さないように回避することができますが、受動的に起こる失敗体験は苦しいですよね。ストレスがかかり、自己肯定感が下がります。

なぜなら、受動的なことつまり相手がいることは、コントロールができないからです。

ここで悩まれる方が沢山います。もちろん私だってそうです。

 

しかし、人間には「認知」という素晴らしい変換ソフトがデフォルトで脳内にインストールされています。

「認知」つまり、ものの捉え方が変われば、ネガティブな経験から、ポジティブな側面を発見することができるようになります。

何が言いたいかというと、今までの学習していた当たり前を覆すことがあるということです。

 

学習には「消去」という「強化」の対義語があります。簡単に言うと条件付けされた行動が減るということです。

人間はこの消去を経験によって得ることができるのです。なんだか矛盾しているような感じがしますね(笑)

私が言いたいことをまとめると、「人は経験によって、失敗したとしてもそれを塗り替えて、一つ一つ積み重ねていける。」これが言いたかったのです。

 

広く言えば「失敗」だって一つの経験です。動物でいう所の「罰」も一つの経験です。

上手くいかなかったことも大切な経験です。これが積み重なっていくと重厚なあなたの人生になるのです

その時々で、嫌なことや失敗があれば、苦しいし恥ずかしいし、いたたまれない気持ちになるでしょう。

ですが、長期的に見ればそれを経験・学習したからこそ、次に生かせるのです。

どうにも自分に出来ないものは回避すればいい。自分からできることはもっと積極的になればいい。

こういう考え方が人間にはできるのです。

 

でも、心が疲れている時はそう考えられないかもしれません。

それはそれでいいんです。心にだってコンデイションはあるのですから。

パブロフの犬」のような、常に実験的で物理的なことは、我々の心に当てはまりません。私たちは機械ではないのですから。

 

ですが、機械ではないからこその豊かさ・可能性があります

絶望的と思われる状況から、その逆境を乗り越えて復活していった人は世の中に沢山います。

調べてみればいっぱいヒットすると思います。

それだけ、人間の数だけ、成功も失敗も経験があり、学習して、今を生きているのです。

 

今、経験を恐れる方が増えていると聞きます。

その気持ちは私もよくわかります。

ですが、どんな経験もいつか必ず、生きてくる瞬間が出てきます。

この構造自体ポジティブなものだと私は思っています。

「全ての道はローマに通ず」は、表題の「全ての学習は経験に通ず」に言い換えられそうだと思っているのです。

 

大丈夫。どんなことも、いずれの未来のあなたに通じているのです。

過去・現在、苦しいことがあふれて押しつぶされそうでも、未来まで苦しいと確定したわけではありません。

経験・学習によって、あなたは選択肢を得て、自発的に行動を選べるようになるのですから。

一日1ページでもいいんです。何かを経験していることに価値があります。

経験をしているということは何かを学んでいるということ。それ正に学習。

学習は次の経験に繋がる

そして、あなたはより豊かな生き方が出来るようになる・・・。

私はそう確信しています。

 

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それでは今回はここまで!

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