みなさん、お疲れ様です!心理カウンセラーのルンタです。
それでは今日も短時間で解説をはじめますよ~
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さて、今回は「スキーマ」についてお話してみたいと思います。
なんかすき間みたいな名前していますよね(笑)
私も学生時代この名前に笑ってしまいましたが、実はとても大切なワードだったんです!
そもそもスキーマとは英語読みで、ドイツ語・フランス語では「シェマ」と言います。
つづりは「schema」です。
また、スキーマは何も心理学だけの用語ではありません。哲学などでも使われる幅広い概念です。もともと図 や計画のことを指す言葉でした。
他領域のことを語ると長くなってしまうので、心理学におけるスキーマだけ今回は解説していきますが・・・
「心理的な描写(心象、概念)」のことを指します。
具体的に言うと、人が経験の積み重ねによって獲得していく、外(環境)からくる情報を理解するための枠組みのことをいいます。
・・・少しわかりにくいので、例を挙げていくと、
「日本が発祥で、生のお魚を握った酢飯の上に乗せて出される料理」と言われれば、皆さん正解は「お寿司」だと分かるはずです。
スキーマという枠組みが働いたからこそ、得られた情報を整理して連想していき、推測することができるのです。
このようにスキーマは、我々が日常生活のさまざまな物事・事象を捉える枠組みとして役立っているのです。
しかし、スキーマには良い点と良くない点が混在しています。
~良い点~ 過去の経験や知識から初めてのことを推測できる
新規場面などでは何もかもが初めてなので、どこに関連があるかなど一切のことがまっさらになりがちですが、
ある程度情報に一定の意味を持たせ、ひとまとまりのスキーマとして理解することで、新規場面でも過去の経験から推測してある程度理解することができます。
例)新学期のクラス替え発表後、どの教室に行って、始業式までどのようにして過ごしていればいいのか、学年が上がるごとに慣れてくる。
~良くない点~ ①固定観念や思い込みにつながる(偏見を助長する)
スキーマは効率的に思考をサポートしてくれるので、ある程度合理的な判断を可能にしますが、固定観念(ステレオタイプ)や思い込み(偏見)、さらにいきすぎると差別や偏見につながる恐れもあります。
例)日本人は全員穏やかで礼儀正しく、外国人はみんな大雑把でマナーが悪い
②過去の経験によってはネガティブに偏ってしまう
①で述べたように、スキーマは本来、効率的な思考・理解形成をサポートするものです。しかし、過去の経験によっては、大人になってから生きづらさにつながってしまう場合があります。
例えば、いじめや虐待を受けてきた児童が「人間は信用できない・大人は誰も助けてくれない」とスキーマを持つことは、自身の身を守るために必要なので、ある意味適応的といえます。
しかし、大人になって安心な状況になってからも、この考えが続いていれば、周囲の人と親密な関係を築きにくくなり、生きにくさを抱えたまま生きることになります。
以上のように、スキーマというシステムによって、人の思考は効率化され、素早い判断や理解が出来、行動に反映させることができるのです。
が、優秀なシステムがあるがゆえに、その分のデメリットもあるということを覚えておいてください。
ここで、前回までの「信念」に組み合わせて考えていきたいと思います。
実は、信念はある意味で「スキーマ」とも言えます。
ここまで読んでいただいたら、ピンときている方もいるかもしれませんが、、
スキーマは過去の経験を蓄積して、次の判断材料のために生かされます。
それがポジティブなイベントだろうが、ネガティブなイベントだろうが、
①経験を記憶から引っ張り出してきて、
②現状に照らし合わせ、
③どう理解して、
④これから自分が起こすアクションに繋げていくかを人は繰り返していくのです。
スキーマに信念が組み合わさると、①~④の一連に変化が生じます。信念というゆるぎない価値観によって、柔軟に②と③が行えないことがあるのです。
こうなると、周囲との適合が難しくなってしまう場合があります。
という意味も含めて、信念は大切にしなくてはならないのですが、最重要にはしなくていいということを補足します。
だいぶ小難しい話をしてしまいましたが、まとめると、スキーマは人が物事を効率的に理解するための枠組み(脳内システム)と覚えて頂ければOKです。
このシステム、実は自律して働くこともあり、それを「自動思考」と呼んでいます。
自動思考とは、ある状況において瞬間的に浮かぶ考えや自分の癖のことをいいます。この自動思考はスキーマの影響を大きく受けるのです。
例えば、職場の先輩からめちゃくちゃ叱られて、さらにミスが重なり、余計にびくびくしてまた怒られるというループにはまってしまった人は、
「自分がミスしたから怒られてるんだ」から、「自分が無能だからミスするんだ。怒られて当然なんだ」となり、「またどうせ怒られるんだろうな。自分ってなんて愚かなんだろう」という思考になってしまうのです。
激しい叱責という経験から、スキーマが学習してしまい、同じような状況の時に枠組みが作動して、ネガティブなことしか浮かばなくなるようになってしまうのです。
自動思考はわざわざ考えなくても、自然に浮かんでくるものなので、いちいちカロリーを消費せずに考えてくれる、これまた優秀な脳内システムなのですが、、
全自動だからこそ、ネガティブなことにスイッチしてしまうと、ネガティブなことも延々とループして考えすぎてしまうのです。
いやぁ~人間の脳は高性能だからこそ面倒くさいですね(笑)
ですが、この構造と高性能ゆえのデメリットを知った皆さんはそれだけでも、ガチガチのスキーマに捉われることなく過ごせます。
スキーマは柔軟に適度に持つことが一番です(スキーマを常に疑うこと)。
新しい事のオンパレードである新年度・新学期は、特にスキーマや自動思考が暴走しやすい時期です。
でもそれは仕方ないことです。だって、高性能な脳が勝手にやってるんですから(笑)
大事なのは、それを客観的に見ることです。
「あ、私今こういう状況だな。」と一度振り返れば、「あ、こうやって思ってたけど、実はこれってこういうことなのかな?」と思いなおせるはずです。
良い経験が良いスキーマを生む可能性は高いですが、100%ではありません。
悪い経験をしたからこそ、次の成功・良いスキーマに繋がることだって沢山あります。
トライ&エラーで新年度を乗り切っていきましょう!
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それでは今回はここまで!
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