【7時間目の授業は心理です】

思春期~青年期の方をターゲットに心理学をお話ししていきます。

【#20コラム】”自立”について考えてみた

皆さんお疲れ様です!

心理カウンセラーのルンタです。

 

今回はちょうど、20投稿目ということで、コラムを書いてみようと思います。

特段、いつもと変わりませんが(笑)

お時間のある方はお付き合いください・・・。

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今回は”自立”について考えていきたいと思います。

前回#19では、「基本的信頼感・安全基地」と共に、愛着の重要性をお話してきました。

人は、基本的信頼感と安全基地が心の中にないと、不安で外の世界に足を向けられない。つまり、一歩を踏み出せないことをお伝えしましたね。

 

luntacop.hatenablog.com

これ、要するに、「基本的信頼感と安全基地がないと自立できない」とも言いなおせると思いませんか?

そうなんです。人間が自立していく上でも、愛情や愛着は非常に大切なのです。

 

自立にはいくつか種類があります。

  1. 身体的自立
  2. 精神的自立
  3. 経済的自立

だいたい、この3つと言われています。1つずつ見ていきましょう。

 

【1.身体的自立】

乳幼児期あたりまでの自立を表します。自分で移動することができない赤ちゃんは、養育者に抱かれて移動したり、基本的に養育者の近辺が活動範囲になります。

身辺自立」とも言い表すことができ、自分で着替える・自分で排泄をする・自分でご飯を食べるなど、今まで解除やお世話が必要だったことが次第に自分で出来るようになってきます。

小学校入学前の6歳くらいには、一通りの身辺自立が出来るようになり、養育者の近辺にいなくとも、ある程度の生活や活動が出来るようになります。

これを身体的な自立と呼んでいます。

身体的自立を完了している人は大半でしょう。中には身体障害などで難しい方もいらっしゃいますが、決してそういう人たちが劣っているという訳ではなく、あくまで自分自身の力で身辺周りの活動ができるかの基準なだけです。

 

【2.精神的自立】

これはまさに、児童期~思春期の大きな課題です。

身体的には自立した子供が、「もう、自分は一人前なんだから、一丁前に扱ってほしい」と思うことです。つまり、「大人に憧れる」という気持ちのことです。

確かに、身体的自立は完了していますが、まだまだ知識や社会的常識、情緒の安定さは不完全であり、色々な体験や失敗を通して、取捨選択をしていき、内面的に成長していく時期です。

ですが、本人たちに取ったら深刻で、「体も大きくなったのに、なんで大人扱いしてくれないんだ」と反発してくることも多いでしょう。

精神的自立の過程は正に「反抗期」と昔から日本人は呼んでいました。

心理学的に言うと、「第二次性徴」とも言います。

自分の性別に目覚めて、自分の立ち位置を考えられるようになって、親と自分という関係性に葛藤し、早く大人になって自立したいと願う時期なんです。

この葛藤を達成するまでは、並大抵のことではありませんが(昔風に言えば不良になっちゃうとか)、精神的自立を達成すると、真の意味で「大人=社会人」となるのです。

 

【3.経済的自立】

最後の自立は経済的自立と言われています。時期は青年期~中年期くらいです。

社会人となって、自ら社会に飛び込み、勤労を経て、納税の義務を遂行する。

この一連の流れを行い、経済的にも養育者からの援助がなくとも、自分で自立してやりくりできる状態のことを、経済的自立が完了している状態と言えるでしょう。

ですが、この経済的自立はできずに苦しんでいる人が沢山います。引きこもりやニートが社会問題化していますが、こうした方々は、青年~中年期以降になっても、経済的自立を完了できずに、養育者の庇護の元で暮らしている場合が多いです。

50-80問題という言葉も聞いた言葉あると思いますが、親の年金を頼りに、働くことをせず、社会に出ないまま自立できずに過ごされている方も多いです。

ですが、経済的自立で躓いている人たちは、何かしら原因があったと私は思います。

それこそ、愛着に話は戻り、「基本的信頼感と安全基地」がない人は、社会に飛び込むこと自体が恐くて・不安でたまらないので、経済的自立が出来ないのです。

つまり、引きこもりやニートの状態もその人が悪いのではなく、そこまでに至る過程の中で、基本的信頼感と安全基地が確立できなかったも言い換えられるでしょう。

 

 

以上が、私の考える”自立”の種類です。

こう考えると、自立というのは簡単なことではありませんし、大人になっても常に付きまとう問題であるという事がわかります。

 

自立が出来ないということは、自立してやっていける自信がないとも言えます。

自分に対する自信のことを心理学では「自尊心」と言います。自分を大切に思えることを「自己肯定感」と言います。

この二つは、乳幼児期の脳がまっさらな時に、いかに養育者から伝えられるかで大きく違ってくるという研究データもあります。

自分に自信を持って、様々な壁を乗り越えて自立した人間になるためには、小さいころからの関わりが、いかに重要かがわかってもらえたと思います。

 

 

ですが、それが全てではありません。

大人になってからだって、考え方を変えれば人生はいくらでもスタートしなおせます。

自分に自信がなくて自立できない人も、自立できるようになります。

そのためには、相応の努力や、自分自身の認知・思考パターンに気が付いて受け入れることも必要になってきますが・・・。

 

子供時代に上手くいってなかったら、どうせ大人になってもダメなんだ。自立できないんだ。失敗するんだと思う必要はありません。養育者を恨む必要もありません。

少なくとも、あなたはここまで発達し、自分の考えを持った人間として今日まで生きてきたのですから。

生きることは、過程です。過程のなかに無駄だった時間はありません。失敗と思われることも、反復しないための経験となるので、全ての時間や過程には意味があります。

そこに注目して、生きていく方法を考えていく事が「アドラー心理学」と呼ばれるものなのですが・・・。

これはまた話し出すと止まらないので、ここまでにしましょう。

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最後まで、私の独り言につき合って頂きありがとうございます。

今後もまた、色々なお話をしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

それでは!