【7時間目の授業は心理です】

思春期~青年期の方をターゲットに心理学をお話ししていきます。

【#38認知について】ゲシュタルトって何だろう?

心の中で・・・「起立、礼、着席」

 

みなさん、お疲れ様です!心理カウンセラーのルンタです。

それでは今日も短時間で解説をはじめますよ~

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さて、今回は”ゲシュタルト”についてお話していきたいと思います。

皆さんはゲシュタルトという言葉は聞いたことありますか?「ゲシュタルト崩壊」というワードで聞いたことがあるかもしれません。

意外と身近に転がっていますが、身近過ぎてスルーしている物がゲシュタルトなのです。色々なことに関連してくる概念なので、覚えておいてください。

 

 

そもそもゲシュタルトとは、ドイツ語で「かたち」という意味で、「全体を部分の寄せ集めとしてではなく、ひとまとまりとして捉えた対象の姿」のことを言います。

・・・難しいですよね(汗

簡単にいうと、「部分が集まって全体を構成している」という捉え方をするということです。

 

例を挙げると・・・。①音楽②洋服などもゲシュタルトと言えます。

①音楽の場合:一つ一つの音を鳴らすだけでは音楽や曲とは言いませんが、これがリズムをつけたり、フレーズにしたり、音を重ねてハーモニーにしたりすると、一つの音楽・曲になります。

これは、個々の音が組み合わさって、全体としてみると音楽・曲として成り立っている(構成している)という考え方です。

楽譜なんかまさにそうです。「ド」「ソ」などの音が沢山組み合わさって書かれてますよね。

逆に言えば、全体としての音楽は、「ド」「ソ」などの音で構成されていると言えます。

 

②洋服の場合:音楽と同じように考えると、服は「布」で出来ています。さらにその布は「糸」で出来ています。さらにその糸は「繊維」で出来ていますよね。

洋服は言うなれば繊維の集合体です。様々な色を付けたり、色々な縫い方をしたり、形をつけて完成しますよね。全体として見れば洋服ですが、部分は糸・繊維です。

 

 

以上のように、部分(パーツ)が組み合わさると、全体が組みあがるという考え方がゲシュタルトと思って頂いてかまいません。

また、この考え方を取り入れた心理学を「ゲシュタルト心理学」と言い、ゲシュタルト心理学では「全体は、構成する各部分の総和を上回る」と考えます。

何が言いたいかというと、個々では大したことがないことでも、組み合わさって全体になると、大したものになり、元々の個々よりも良いもの(良い連続体)になるということです。

そう考えると、漢字もそうですよね!

ただの横棒、縦棒、右斜め、左斜め。それぞれただの線ではなんの意味もありませんが、組み合わさることで、「木」という漢字になります。

このように、組み合わさって全体で見ることで、元々は意味のなかったものが、集合体では意味をなすことをゲシュタルトというのです。

 

 

もう一つ例を出しましょう。下の図形を見て下さい↓

これは色々な形の黒い部分があわさってます。尖ったりカーブしていたり、いろんな形が並んでますね。

でも、この白い部分を見るとあら不思議。「THEATER(シアター)」と読めますよね!

ただの黒いパーツが、組み合わさることで文字が浮かび上がるようになりました。これを「良い連続体」と言い、これが「全体は、個々の総和を超える」ということです。

意味のない黒い部分も、組み合わさることで、文字が浮かび上がるという意味のあるものになったのですから。

 

 

同じような図で、見たことがある有名なものを挙げましょう↓

 

この図は「ルビンの盃」という図形です。黒い部分をよく見て下さい。

2人がお互いを見つめ合っているように見えますよね。

しかし今度は白い部分を見てみると・・・。題名の通り1つの盃が浮かんで見えてきますね。

このように、全体で見るのと個々で見るのとで、形が変わって見える(反転して見える)ものもゲシュタルトの一つであり、「図と地」とも言います。

この時浮かんで見える部分を「」と呼び、その背景になる部分を「」と言います。

 

 

今回は、図を用いて説明しましたが、これは日常生活中に沢山転がっていますし、心理学にも応用できます。

「図」と「地」は見方をちょっと変えれば、「地」だった部分が「図」になり、背景と浮かんだ部分が逆転することがよくあります。

人の認知はこのように、見え方によって捉え方が180度変わることが往々にしてあり得るのです。

 

前置きが超長くなりましたが、人の認知はこのように見え方によって大きく変わりますし、自分の見え方が人によっては違うということです。

だから、自分と他人で考え方が違うのは当たり前ですよね。

捉え方が違うから、他人と考え方が異なる。同じだと思っていても、違うこともままあるのです。これが認知の不思議です。

 

心理学的に考えると、「あーあ、これはよくわからないなぁ。苦手かも」と持っていたことの裏側には、「え!そういうことだったのか!」という発見があるものです。

これは「アハ体験」とも言いますね。

今まで自分が思っていたこと、常識だと認知していたことも、見方を少し変えればガラッと常識が崩れることもままあるということです。

 

そうした点で言うと、ゲシュタルトの考え方は、凝り固まった認知をほぐすのに最適なのです。

余裕がなくて、視野が狭くなり、固まった見方の時こそ、「図」と「地」を反転させることで、視点が逆転することや視野が広くなることがよくあります。

 

皆さんも疲れている時こそ、一歩引いて物事を見てみてください。

ごちゃごちゃしているものも、遠くから見ると「なんだ、こんなことだったのか」と思うものです。

整理できなくて行き詰った時は、見方を変えてみましょう。「ピンチ」が「チャンス」に逆転するかも?

 

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それでは今回はここまで!

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