【#13認知について】認知ってなんだろう?(ABC理論)
心の中で・・・「起立、礼、着席」
みなさん、お疲れ様です!心理カウンセラーのルンタです。
それでは今日も短時間で解説をはじめますよ~
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今回は”認知”について取り上げてみたいと思います。
認知はとても重要で幅広い概念です。時間をかけて、何回かに分けてお話していこうと思います。
そもそも、認知とは何でしょうか?すごく抽象的な言葉ですよね。
認知とは「外界にある対象を知覚した上で、それが何なのかを判断したり、解釈したりする過程のこと」とされています。
・・・。よくわかりませんね(笑)
簡単に言うと、五感で感知した感覚を使いながら、情報を脳に送って、考えるための材料にする。といった具合でしょうか。
もっと簡単に言うなら、、、「感覚」→認知→「思考・行動」と言えるかもしれません。
人間以外の動物も認知をすることができ、自然界で各動物の認知を駆使して生きています。
しかし、人間には特別なサイズの脳があり、1000億個の神経細胞があるので、認知もより複雑で高次なものになっています。他の動物のように単純ではないということです。
人間は五感(視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚)を基本として、痛覚や温度覚など様々な受容体があって、外からの刺激を受け取ることができます。
外から受け取った刺激は、受容体の神経から脳に通じ、脳の神経回路を通して思考し、運動神経や自律神経などに作用して、行動・身体の変化に繋がります。
つまり、認知機能がないと、人間はアクションを起こせないということになります。
裏を返せば、人間が人間らしいアクションを起こすためには、この認知という過程は避けて通れないということです。
前回から話していた、脳の活動と密接に関わっているのです。
よく、心理学では「物事をどう捉えるか」ということが話に上がると思います。
この「捉える」ことが認知にあたると思って頂ければOKです。
物事は捉え方次第で、次の考え方や行動が変わるなんて言うのもよく聞きますよね。
これを「ABC理論」として、提唱したのがアメリカの心理学者”アルバート・エリス”です。
彼は、論理療法の創始者であり、アーロン・T・ベックの認知療法と組み合わされ、認知心理学が誕生し、認知行動療法が生まれるきっかけになりました(今回は深堀しません)。
ABC理論とは何か。これは今後も出てくる大切なキーワードなのでよく覚えておいてください。
●まず「A」は「Activating event(アクティベーティング・イベント)」の頭文字で『出来事』と訳します。
●次に「B」は「Belief(ビリーフ)」の頭文字で、『信念・捉え方』と訳します。
●最後に「C」は「Consequence(コンセクエンス)」の頭文字で、『結果・反応』と訳します。
人間は、出来事(A)が起きると、それに対して各々の捉え方(B)をし、最終的にそれに応じた反応を(C)起こす。という一連の流れを理論化したものです。
特に、「B」の信念・捉え方には2種類があり、心理学ではこの「B」の扱い方をとても大切にしています。
- 合理的な信念(Rational Belief:レイショナルビリーフ)
- 不合理な信念(Irational Belief:イレイショナルビリーフ)
に分かれます。
1の合理的な信念とは、①事実に基づき、②論理的で(筋が通ていて)、③柔軟な考え方を指します。
反対に2の不合理な信念とは、①事実に基づかない、②論理的ではない(飛躍した)、③柔軟性のない(固定的な)考え方を指します。
この不合理な信念が不快な感情・辛い気持ちを生み出して、不安やうつ症状といった反応に結び付くと考えられています。
よって、認知心理学ではこの「B:信念・捉え方」を修正していく事で、精神状態を穏やかに変化させていこうと考えます。これが認知行動療法の基本的な考え方です。
例えば、
【合理的な信念】
A(出来事)→部活でミスをして、先生に注意された。
B(信念)→試合中で同じようなミスを繰り返さないように厳しく言ってくれた。
C(反応)→先生の言葉を受け入れて、繰り返さないように改善しようとする。
【不合理な信念】
A(出来事)→部活でミスをして、先生に注意された。
B(信念)→自分のことを使えないやつだと思って、イライラしたから言ったんだ。
C(反応)→先生に見捨てられたと思って落ち込む。やる気がなくなる。
・・・こんな感じで、どちらもA(出来事は)同じなのに、B(信念)が変わってくることで、C(反応)が変わってきましたね。これがABC理論です。
そして、ABC理論で言うBの部分を認知(=捉え方)だと思ってください。
つまり、人間がより良い結果や反応を起こすためには、認知を柔軟にして、捉え方を幅広くすることが大切であると、エリスやベックは唱えたのです。
いかがだったでしょうか。
今回は認知心理学の基礎、ABC理論について簡単に説明してきました。
結構なるほどなと感じた人は多いのではないでしょうか?
これを応用すると、本当に様々な場面で使えますし、自分にも相手にも有効な万能ツールとして使えます。
認知はそれだけ、人間の精神活動において重要なウェイトを占めているということですね。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今回はここまでにしましょう!
質問などがありましたら、気軽にコメントください!
X(Twitter)もよろしければチェックしてくださいね。
→@LuntaCOP
心の中で・・・「起立、礼、着席」