【7時間目の授業は心理です】

思春期~青年期の方をターゲットに心理学をお話ししていきます。

【#14認知について】自分を自分と思えるのは人だけ(メタ認知)

心の中で・・・「起立、礼、着席」

 

みなさん、お疲れ様です!心理カウンセラーのルンタです。

それでは今日も短時間で解説をはじめますよ~

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

さて、今回も認知シリーズですが・・・。

人間特有の認知がある”ということをお伝えしようと思います。

 

その認知とは何かと言いますと、タイトルにも書きました「メタ認知」です。

とても重要な概念なので、覚えておいてくださいね。

#3の不安の対処法でも書きましたが、メタ認知とは何かを解説します。

 

luntacop.hatenablog.com

 

 

 

メタ認知」とは、「自分自身を客観的に認知する能力」のことを表します。

・・・またまた、理解しにくい概念ですね(汗

言い換えるならば、「自分のことを自分だと思える能力」だと思ってください。

 

実は人間以外の動物はこの「自分は自分である」という感覚がないというのが、現在の研究では語られています。

よく、ショート動画などでペットの猫ちゃんなどが、鏡を見てびっくりしたり、猫パンチをしまくる光景を見たことがあると思います。

あれ、実は・・・猫は鏡に映っている自分を他の猫だと思っており、敵だと思ってびっくりしたり攻撃しているんです。

 

他の動物も同様で、「自分のことを自分と認識する」ことができないのです。

この自分のことを自分と認識できることこそ、メタ認知であり、人間に与えられたすごい能力と言われています。

このメタ認知があるから、「自己」や「自我」といった概念も理解できるようになるため、生きていく上で本当に欠かせない概念となっているのです。

 

 

では、自分を客観的に見るということはどういうことでしょうか?

他の動物を含め、生物は「他者」を客観的に見ることは当たり前にできます

例えば、私がシマウマだったら、外敵のライオンなどの肉食動物に近づくことは命の危険にさらされることになります。

なので、「他者」であるライオンがいないかを見まわしたり、もし近くにいたら、「あ!やばい!逃げないと食べられる!」と知覚して、逃げますよね。

 

サメ・シャチも同様に考えれば、おなかが空いていれば、アシカや他の魚などを食べたくなります。海に漂うかすかな血の匂いを知覚したり、超音波の反響・目を使って、他者の位置を把握して捕食します。

 

というように、生物は他者を知覚して、自分の行動に繋げることはできます

 

ところが、「自分は自分だ」とか、「自分は他のシマウマと比べて、こんな特徴がある」と思うこと(外から見た自分をイメージすること)はできないと考えられています。

子供を育てたり、感情的な面は動物も持ち合わせていると考えられていますが、その上の”理性””感情の統制”は人間脳がないため、できないのです。

人間脳は#7で解説しましたね。

 

このメタ認知が出来るおかげで、メリット・デメリットはありますが、人間は高度なコミュニケーションを取れるようになり、やがては文化と文明を作り上げて、発展してきました。

自分を客観的に感じることで、「どうしたら良いかな?」「もっとよくするためには何が必要かな?」「このタイミングで勝手に行動したらダメだよな」と思えるようになり、集団の中での立ち振る舞いを思考することができ、それが”理性”になっていったのです。

 

しかし、このメタ認知の方向がズレて行き過ぎると、理性にがんじがらめにされて、考えすぎてしまい、自分で自分のことを責めてしまうことになってしまいます。

これが、過度な不安になったり、強迫的な思考になったりと、人間のメンタルヘルスに悪影響を及ぼすことにもなります。

自分で、自分のことを理解できるようになったからこそ、「こんな自分はダメだ」「今の自分は情けない」などと余計なことを考えるようになってしまったのです。

 

 

このように、メタ認知は人間の社会・集団形成や発展に大きく寄与した一方で、自分で自分を傷つけるための能力にもなってしまったのです。

便利すぎる道具は工夫をしないと自分に牙をむくとよく言われますが、まさにそんな感じです。

 

ではどうやって、メタ認知を味方につければよいのか・・・?

それは「一歩後ろから自分を見て、ニュートラルに捉える」ということです。

ニュートラルというのは、「中庸的(ちゅうようてき)」という意味で、ポジティブでもネガティブでもない、あくまでそのまま・ありのままの状態のことを指します。

 

例えば、不安に押しつぶされそうな自分がいるとします。

ここで、メタ認知を発動させます。

「あ、自分が今不安になってるなぁ」と一歩後ろから自分を見て、そんな風にシンプルに受け取ってください

怒りが止まらない場合もメタ認知を使ってみましょう。

「あ、今自分、めちゃくちゃ怒ってるな」と一歩下がって、鏡越しから眺めるように自分をただただ見つめて下さい。

 

そうすると、不思議なもので、不安になっている自分・怒っている自分を、「客観的に見ている自分」が生まれますよね。この客観的に見ている自分はニュートラルなので、この客観的な自分に話しかけて、不安や怒りを鎮めるように働きかけてもらいましょう。

これを、マインドフルネスと呼んだりもします。

マインドフルネスは聞いたことがある方も多いと思いますが、とても奥が深い概念なので、今回は解説せず、またの機会にしたいと思います。

とりあえず、自己コントロールが上手になる方法と思って頂ければOKです。

 

 

今回の話をまとめると・・・

  1. メタ認知とは、自分のことを客観的に見る能力のことである
  2. メタ認知が出来るのは、ほぼ人間だけである
  3. メタ認知を上手く利用すれば、自己コントロールがうまくなる

という感じです。

抽象的な話だったので、小難しくなってしまいましたが、認知の中でも人間特有のものとして、覚えておいてください。

 

毎日鏡を見て、今日も自分であると思い、顔を洗ったり、化粧をしたり・・・。

こんな当たり前の中に大切な認知が潜んでいたんですね。

 

 

”自分”とは、人間の人生そのものであり、自分を大切にすることは人生を豊かにすることと同義です。

今、自分をなかなか大切にできない人は、一度立ち戻ってみて、悩んでいる自分を一歩外から見直してみてください。

そして、「そっかそっか、こういうことで疲れてたんだね。泣いていたんだね」と感じたことをそのまま自分の心に投げかけてあげてください。

これだけでも立派なセルフケアですし、そもそもセルフケアは、メタ認知が出来る人間にしかできません!

 

ならば、人間に生まれた私たちは、せっかくですから、メタ認知を最大限味方につけて上手く使っていきましょう!

これからもそのヒントになるようなお話をしていきたいと思います。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

それでは今回はここまで!

質問などがありましたら、気軽にコメントください!

X(Twitterもよろしければチェックしてくださいね。

@LuntaCOP

 

心の中で・・・「起立、礼、着席」