心の中で・・・「起立、礼、着席」
みなさん、お疲れ様です!心理カウンセラーのルンタです。
それでは今日も短時間で解説をはじめますよ~
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さて、今回は”虐待”について話をしていきます。
少し重苦しくなるかもしれませんが、とても大切なことなので、よろしければ最後まで見ていってください。
虐待とは簡単に言うと、「力関係が上の者が下の者に対して行う、不適切な関わりのこと」であり、特に多いのが親子関係で起きる虐待です。
保護者がその責任を放棄し、子どもに対して不適切な関わりを行えば「児童虐待」と言われ・・・
介護者が高齢の被介護者(子どもが親に)に対して、不適切な関わりをすることを「高齢者虐待」とも言われます。
しかし、虐待は親子関係に限った話ではありません。一番最初に話した通り、「力関係の上下」で起こりうるので、たとえ血縁でなくとも起きてしまいます。
例えば、入所施設での虐待がこの一例です。一時期ニュースに取り上げられ、世間でも大きな話題になりました。障害者の方に一方的な暴言・暴力を浴びせるシーンを見た方も多いのではないでしょうか。
どちらにも共通して言えるのが、「反抗してこない、あるいはやり返してこないとわかっていて、その弱者に対して、不条理で非道徳的な行為を行うこと」ですね。
最近使われがちな「ハラスメント」という言葉のもっと上を行く、許されざる行為です。
ですが、残念なことにこの虐待件数は一向に減りません。減るどころか増加しています。
特に児童虐待の相談件数においては、昔と比べてとんでもない数で増えてきています。令和4年度の児童虐待相談件数はなんと”約22万件”です。
・・・、なんで少子化の現代でこんな悲しいことが増えてしまっているのでしょうか。
これらには、本当に沢山の要因が絡んでいるので、到底1回の授業でまとめきれませんが、これから、何回かに分けてお話していきたいと思います。
まずは、虐待の種類について皆さんに知って頂きたいので、以下の一覧をしっかりと覚えておいてください。
もし、あなたの身近な人や地域でこれらに当てはまりそうなケースがある場合は、すぐに相談してください。
児童虐待の場合は、電話で「189(いちはやく)」を押していただくと、近くの児童相談所に繋がります。
高齢者虐待の場合は、各市町村の担当窓口や地域包括支援センターに通報してください。とりあえず役所に確認して頂ければOKです。
『虐待の種類』
1.身体的虐待
→暴力など、肉体的な攻撃を与えること。攻撃により恐怖を植え付け、一方的な支配関係に置く(恐怖政治と同じ)。
2.心理的虐待
→暴言を受けたり、激しい夫婦喧嘩・DVなどを視聴すること。精神的虐待とも言われ、人格否定を主とする態度・言動を与え続けること。
3.性的虐待
→異性・同性に関わらず、性器や陰部についての接触、性交渉、ポルノグラフィの被写体にするなどの行為。主に児童虐待で起きやすい。
4.ネグレクト(養育・介護困難)
→保護者がその責任を負わず、世話や育児などを行使してしまっている状態のこと。家事などを一切行わず家庭に放置したり、そのまま出かけてしまうなども含まれる。
5.経済的虐待
→必要な経済的支援を断ち、お金の面での援助を一切取らないこと。児童虐待では起きにくいが、決して少なくはない。
以上の5つが主な虐待です。
これらに共通するもののもう一つとして、「虐待を受けた者は、トラウマ体験として脳と体に刻み込まれ、長い時間その残像に苦しめられる」ということです。
発達の最中にある子どもが虐待を受けたら、その影響の大きさは尚更です。
発達や愛着という人間の基礎に多大な影響を及ぼし、今後の人生において大きな障害となってしまう面が、いくつも出てきてしまうのです。
それがわかっていても、虐待は減らない・・・。何故でしょうか?
コロナ禍の影響で、我々のライフスタイルが変わったからという話も聞きますが、まずは①社会の激しい変化。そして②世代間連鎖です。
①社会の激しい変化というのは、核家族化・高齢社会・不況の長期化、本当に様々な社会的要因が複雑に絡まっています。
昔の社会は女性が家に残って、男性が働きに出るというスタイルが一般的でしたが、男女雇用機会均等法や男女共同参画社会基本法などの制定で、女性の社会進出が進み、一気に家族形態が変わりました。
その影響で、共働き世帯が増え、都会に出た核家族世帯は、祖父母世代との交流が薄れ、自身たちだけで養育と労働を両立していかねばならず、計り知れないストレスがかかって、その歪みが子どもに向かう・・・。こんな例が沢山あります。
②世代間連鎖とは、①で挙げたような養育環境で育った子供は、自分が大人になった時に、自身の子供に同じように接してしまうことで、虐待の流れが続いてしまうことを指します。虐待を受けて育つと、それが当たり前というような認知の歪みが生じます。気が付くと、自身がやられていた時のことを正当化して、同じように繰り返してしまうのです。
これは、どこかで断ち切らないといつまでも続いてしまいます。
これらが、主な原因と私は捉えていますが、本当にもっと多くの要因が複雑に入り混じって、虐待は起きてしまいます。
行政も、なんとか食らいついて対応に当たっていますが、いかんせん件数がおすぎて、処理しきれていない現状です。
保育園の待機児童は減ってきているようですが、虐待に関する待機児童はとんでもない数で増えています。
この数を減らし、断ち切るには、虐待についての正しい知識を少しでも多くの人たちに知って頂き、コミュニティの中で虐待について対策できるような環境を作り上げることが最重要課題であると、私は思っています。
今後も社会問題について触れていきますので、一緒に勉強していきましょう!
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それでは今回はここまで!
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