【7時間目の授業は心理です】

思春期~青年期の方をターゲットに心理学をお話ししていきます。

【#16発達について】「三つ子の魂、百まで」は本当?(発達心理学)

心の中で・・・「起立、礼、着席」

 

みなさん、お疲れ様です!心理カウンセラーのルンタです。

それでは今日も短時間で解説をはじめますよ~

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さて、今回は発達についてお話をしていきたいと思います。

発達という言葉はよく耳にしたことがあると思いますが、どういう意味なのでしょうか?

 

発達とは、簡単に言えば「肉体的・精神的・知的な成長」のことを指します。

背が伸びたり、文字を読めるようになったり、計算できるようになったり、挨拶が出来るようになったり、恋愛できるようになったり・・・。

人間は時間を重ねるごとに、発達していくことは皆さんもおわかりでしょう。

 

この発達について色々と体系化していったものが「発達心理学」と言います。

 

発達心理学には、膨大なキーワードと研究がなされているので、今回だけですべてを語ることはできませんが、今回は発達の初期段階、乳幼児期の重要さに絞ってお話していきます。

 

乳児期は大体0~2歳くらい。幼児期は3~6歳くらいと考えて下さい。

すなわち、乳幼児期は0~6歳の就学前のことを指しますが、ここまでの発達は、人生においてとんでもなく重要で、その後を左右すると言っても過言ではないのです。

 

ここでタイトルに挙げた、「三つ子の魂、百まで」ということわざも振り返っておきましょう。

このことわざは、「3歳までに得たもの・覚えたことは、100歳になっても忘れずに魂に刻まれるものだ」ということを指します。

要するに、乳幼児期までの経験は、その人の一生のベースになっていくということですね。

 

人間の赤ちゃんは、他の動物の赤ちゃんと比べて、生まれてから一人前になるまでとにかく時間と手間がかかります。

例えば、ウミガメの赤ちゃんは生まれて間もなく、海に帰って泳げますよね。

人間の赤ちゃんは生まれて間もなく立てるでしょうか?話せるでしょうか?

・・・無理ですよね。

 

人間は10カ月で生まれてきますが、本来の脳や体の発達的に、ある程度外界に順応できるレベルになって生まれるためには、2年近くの妊娠期間がないと難しいと言われています。

これを「生理的早産」と呼び、人間はまだ生物的に未熟な状態で、母体から離れて産まれ、外界に取りだされると考えて下さい。

 

ということは、生まれたての赤ちゃんは、本当に未熟で何もできないし、何もわかりません。なので、保護者の存在が絶対に必要なのです。

自分で、ある程度行動できるようになるまで乳幼児期

になります。

もっと言うと、成人18歳までの期間は”児童”なので、社会的には自立していません。

猫やワンちゃんなどの動物は、生まれて半年もすれば、十分機能的に自立していくのに・・・。

 

この差こそ、人間が生理的早産と言われ、発達に保護者(親などの大人)が介入することの大切さを表しているのです。

赤ちゃんは逆に言えば、脳も体もまっさらな状態で生まれてきます。

そして、五感(視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚)を最大限に駆使して、自分が生まれ落ちたこの世界に働きかけ、「ここは何だろう?」「これって何だろう?」と探求していきながら、脳や体が発達していきます。

その発達のサポートをするのが保護者という訳です。

 

生まれたての人間が、未熟ということは、何に対しても最初のうちは何もできないので、とにかく不安です。とにかく怖いです。

だから、泣いて周囲に訴えかけて、サポートを貰おうとします。

これが赤ちゃんが唯一できる自分を守る方法なのです。

 

その中で、周りの大人や人間から、優しく語りかけられたり、泣いたらあやして落ち着かせてくれたりすることで、安心することを覚えます。「大丈夫なんだ」という感覚が少しずつ身についてきます。

この大丈夫なんだという感覚が、とっても大切で、これがのちに「安全基地」というキーワードになり、乳幼児期以降の発達にも大きく関わってきます。

 

少し話がそれましたが、何もできずに生まれてくる人間の赤ちゃんにとって、周囲の保護者や環境がいかに大切かがわかったと思います。

この最初期の経験(乳児期の経験)は脳の基礎になるので、死ぬまで関わってくるのです。これを昔の人は、「三つ子の魂、百まで」という、ことわざに込めたんですね。

昔の人ってすごい!

 

赤ちゃんは、保護者にホールディング(だっこ)されながら、感触を確かめたり、乳を飲みながら、味覚と嗅覚を養ったり、話しかけられることで、注目するための視力・聴力を養っていきます。

だいたい、これらが(五感の基礎)出来るようになるのが、1歳あたりで、ちょうどこの頃に歩き始めるようになります(始歩)。

自分で歩けるようになると、今まで行けなかったところにも自分の意志でいけるようになるため、活動範囲が一気に増えて、好奇心や探求が進みます。

こうすると、脳の発達は加速度的に伸びていき、2歳くらいになるまでには、ことばも出るようになってきます(始語)。

 

ことばが出てくると、脳の中にもことばが入ってくるので、思考をすることができるようになり、徐々に「自分」という概念がわかってきます

この時期になると、自分という存在に気がついたがゆえに、「自分でやってみたい」「親の言うことと違うことをしてみたい」というような自我が芽生えてきます

これを俗にいうイヤイヤ期とも言ったりしますね。

そして、3歳を迎えて、何となくコミュニケーションが取れるようになってくると、社会性の基礎となる、幼児教育(幼稚園や保育園)が始まってくるといった具合です。

 

・・・こう見ていくと、産まれてから最初の3年間は、ものすごく濃くて変化にとんだ3年間だと思いませんか?

大人の3年間と赤ちゃんの3年間は全く変化の度合いが違います。

この変化についていけるように、脳もフルパワーで発達していくので、心の基礎が一気に作られると思ってください。

 

安心して自分の成長にエネルギーを使えた子は、すくすくと伸びていくでしょう。

しかし、現代は”虐待”という悲しい行動が起きやすい状況にあり、安心して乳幼児期を過ごせないまま発達してしまったお子さんも沢山います。

こうなると、発達以外の問題も出てくるのですが・・・。

これは、また深~い話になるので、今回はこの辺にしておきましょう。

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それでは今回はここまで!

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@LuntaCOP

 

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