【7時間目の授業は心理です】

思春期~青年期の方をターゲットに心理学をお話ししていきます。

【#7心について】”心”ってなんだろう?

心の中で・・・「起立、礼、着席」

 

みなさん、お疲れ様です!心理カウンセラーのルンタです。

それでは今日も短時間で解説をはじめますよ~

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さて、今回は”心”についてお話をしていきたいと思います。

いきなりですが・・・みなさんは、心ってどこにあると思いますか?

 

・・・そうですね。心臓にはありません(汗

正解は「」の中にあります。

ここまでの授業を読んでくださった方は、もうお分かりですね。

 

心理学という言葉にも、心という漢字があります。この言葉を初めて作った人(日本語にした人)は哲学者の西 周(にし あまね)と言われています。

明治時代の当時はまだ今のような医療制度もなく、医学も進歩していませんでした。

当然、ハイテクな機械もないので、人の精神状態を扱っていく事はとても難しい事でした。そして、心理学という言葉が日本に入ってくるまでは、哲学が心理学に近い形で人々に関わっていたと言われています。

 

時代が進み、様々な実験を重ねて脳科学も進歩していき、人体のブラックボックスと言われる脳も少しずつ分かるようになってきました。

脳の活動=精神活動と言われるようになり、心を扱う上で、脳を科学することは避けて通れなくなっていったのです。

 

逆に言うと、哲学の時代までは、心理学は抽象的なものでした。

「よくわからないけど、傾向的にこうだろうな。」「人々の苦しみはこのようにして起きているのではないか。」と、経験則からまとめていって、体系化していったと言われます。

仏教や神教などの宗教もこれに近いかもしれません。

 

しかし、「心理学は具体的で科学的なものである。」と定義づけてから、真の意味で心理学は心を扱う科学として歴史を歩み始めました。

科学としての心理学をスタートさせたのは、ドイツの生理学者ヴィルヘルム・ヴントと言われています。

彼は実験心理学創始者で、今まで抽象的だった精神活動を数量化したり、可視化したりして、現実で扱えるデータとして研究し始めたと言われます。

 

 

ちょっと歴史について話しましたが、こうして、心は脳にあることがわかったのです。

ちなみに、脳の中にもいろいろな部位があり、その部位ごとに役割があります。

今回は詳しく脳の構造を解説しませんが、簡単に分類だけでも覚えて頂けると良いかと思います。

  1. 爬虫類脳脳幹・基底核
  2. 哺乳類脳大脳辺縁系
  3. 人間脳大脳新皮質

以上の三つに分けられるので、人間の脳は三層構造と言われたりもします。

 

まず1.の爬虫類脳(はちゅうるいのう)は脳の一番真ん中にあり、主に生命活動の維持についてを司る部位です。爬虫類にもあるためこのような俗称がついています。

簡単に言い直すと”本能”に近いです。生理的な活動(寝る・食べる・運動する・排泄する・など)を調整します。

 

次に2.の哺乳類脳(ほにゅうるいのう)は爬虫類脳の上にかぶさっており、二層目にあたります。ここは感情・情動を司る部位と言われており、本能のまま生きるのではなく、感情を加えて行動を変化させていく役割があります。

少し高度になってきましたね。ライオンや猿などの哺乳類の多くは群れをつくって活動しますが、それはこの哺乳類脳(大脳辺縁系)が発達しているからと言われています。

 

最後に3.の人間脳はその名の通り、人間にしかないと言われるくらい、人間の脳がこれだけ大きくなった要因になるほどの部位です。哺乳類脳よりさらに高度な知的活動を行うことができ、言語を司ったり、社会性を理解したりすることが出来ます。簡単に言うと”理性”が作られる場所ともいえます。

人間は二足歩行が可能になってから、この大脳新皮質が大きく発達し、他の動物を大きく引き離すほどの知的・精神活動を行うことが出来るようになりました。

これが無ければ、複雑なコミュニケーションを取ることもできず、文化や文明を築くこともできなかったでしょう。

 

ということで、ちょっと脱線して脳の構造についての話をしてきましたが・・・

要するに心は、大脳新皮質の活動によってあると考えられます。

人間は高度な文明の中で生活しているがゆえに、高度な知的・精神活動が求められて、それと比例するように様々なストレスを感じるようになってしまいました。

良く言えば、色々なことを考えて感じれるようになったということですが、

悪く言えば、考えすぎて疲弊してしまう。高度な思考を自分を傷つけるために使ってしまうという弊害を起こせるようにもなってしまったのです。

 

もちろん、大脳新皮質だけの問題ではありません。

この間お話しした、「心身一元」であるので、脳幹が疲れれば大脳にも影響はありますし、感情を揺さぶられすぎて、トラウマになってしまうということもあるので、爬虫類脳も哺乳類脳も関連はしてきます。

 

ですが、「心理学という科学」・「人間の心」という意味では、大脳新皮質の活動が大きく関係しているといって差し支えないでしょう。

 

 

今回は少し壮大なお話をしてしまいましたが、心とは具体的に何かということについて解説しました。

心は人間らしい精神活動の中で生まれたものであると捉えて頂ければ今回はOKです。

またいろいろな形で、心についてお話を今後もしていきたいと思います。

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それでは今回の授業はここまでにしましょう。

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@LuntaCOP

 

心の中で・・・「起立、礼、着席」