心の中で・・・「起立、礼、着席」
みなさん、お疲れ様です!心理カウンセラーのルンタです。
それでは今日も短時間で解説をはじめますよ~
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さて、今回は”ポジティブ”についてお話していきたいと思います。
皆さんも一度は「ポジティブシンキング」という言葉を聞いたことはあるでしょう。
有名な例えとして、「このコップには水が半分入っている。これを半分も入っていると思うのが、ポジティブシンキングで、半分しかないと思うのがネガティブシンキングである。」というものがあります。
・・・これは嘘です!
本当のポジティブシンキングは、こうではありません。
本当のポジティブシンキングは、「実際のあるがままを受け入れること」なんです。
・・・ちょっと何を言ってるんだという声が聞こえてきそうなので、解説していきましょう。
皆さん日々大変な生活をしてらっしゃると思います。嫌なこと・辛いこと・やりたくないことから目をそむけたくなるけど、必死になって毎日頑張っています。今日も1日よく乗り越えました!
でも、明日は必ずやってきて、「あ~あ、また明日も学校・仕事かぁ。いやだなぁ」と思うことあるでしょう。とってもよくわかります。
この思考はいわゆるネガティブ思考(シンキング)ですね。
これを「いやいや!そう思ったらダメだ!ポジティブに考えなきゃ!明日はきっといいことがあるから頑張るぞ!」と考えるのがポジティブ思考ですね!
・・・はい。そうです。
これが間違いです。
これはポジティブ思考でも何でもありません。ただの自己否定です。
自己否定とは、読んで字のごとく、自分を自分で否定することです。上の文で言うと、
「そう思ったらダメだ!もっとポジティブに考えなきゃ!」という思考が自己否定にあたります。
なぜなら、「本当は気が重くて行きたくない自分を否定して、無理やり自分を奮い立たせようとしている」からです。
これでは本当の意味でのポジティブにはなりません。無理やりポジティブになろうとすることは、ネガティブになっている自分を否定することになってしまうからです!
では、どうすれば本当のポジティブ思考になれるのでしょう?
それは、はじめに言った「実際のあるがままを受け入れること」を実践することです。
具体的に言うと、、、
✖:①ネガティブになっている→②ポジティブ思考をする
◯:①ネガティブになっている→②今の自分の実際を一旦そのまま受け入れる→③ポジティブに捉えなおす
以上が本当の意味のポジティブ思考です。
そもそもポジティブは日本語に訳すと「肯定」という意味です。もうお気づきだと思いますが、自己否定の否定と対義語になります。
つまり、どんなネガティブな状態の自分であろうと、まず一旦その状態を否定せずに肯定して、「あ、今自分は不安になってるな。ネガティブだな。」と感じて下さい。
この時に紙などにその気持ちを書き表すと、整理できるのでおすすめです。
そのあとに、自分を肯定する言葉を自分にかけてあげましょう。
例えば・・・不安が尽きないなら、「いっぱい不安がある中、今日もよく頑張ったね。」「不安は他のみんなだって持ってるって聞いたな。9割が取り越し苦労で、不安に思っていたことはほとんど実現しないって言ってたな。そしたら自分も大丈夫かも。」などと語りかけて下さい。もちろん紙に書いてもOKですよ!
学校や仕事に行きたくないと考えてしまうなら、「どうしても会いたくない人がいるよね。それでも何日か頑張って行けた自分ってすごいな。」「今はその時頑張りすぎちゃった反動で疲れちゃったんだ。」「どうしても辛い時に話を聞いてくれる人がいてくれたな」などと自分に言ってあげてください。
もう一度言いますが、ポジティブ思考は自分を肯定することです。
「楽観的」という言葉がありますが、また少し意味合いが違ってきます。
楽観的というのは、そもそも否定的な捉え方をせず、良い意味でも悪い意味でも物事を受け入れないことを指します。ある意味で回避的とも言えるでしょう。
でも、正義感が強くまじめなあなたは、楽観的になれなくて苦しんでいると思います。
なので、無理やり楽観的になろうとすると余計に疲れてしまって、ポジティブ思考でいられなくなってしまいます。
なぜなら、楽観的になれなかった自分を否定することになってしまうからです。
・・・駆け足でお話してきましたが、まとめると↓
- ポジティブ思考とは自分を否定しない考え方のこと
- 無理やりポジティブになろうとすることは、逆に自己否定になってしまう
- どんな状態のあなたでもOK(あるがままの自分を受け入れる)
これが本当のポジティブ思考です。
ポジティブ心理学を立ち上げたマーティン・セリグマン博士については、また別の機会にお話ししますが、彼の研究のスタートは「学習性無力感」の理論とうつ病・異常心理学の研究からスタートしています。
つまり、いきなりポジティブ心理学にたどり着いたわけではありません。
沢山の自己否定的な症例を見て、臨床したからこそ、ポジティブ心理学の創設に至ったのです。
ちなみに、学習性無力感とは「あまりにもネガティブなことが続いていて、もう避けようもないと諦めてしまう状態・ネガティブなことを回避しようとも思わなくなってしまう状態」のことを指します。
これはとても危険な状態です。ネガティブ思考が脳を支配して麻痺させてしまうので、自分を肯定することにすらに行きつかないのですから。うつ病の原因にも大きく関わる状態です。
ポジティブになるためには、まず自分をよく知ること、つまり自己理解が必要になってきます。
自己理解で出来ている人は、ネガティブな気分を受け入れてポジティブな声掛けを自分に上手くできるようになってきます。
自己理解を進めるためにも、自己否定をしてはいけません。まずは、自分の置かれた状況や辛いこと、嫌なことを紙などに書き出して(アウトプットして)整理していきましょう。
整理されていくと、ふっと脳が軽くなって、自分が肯定的になるためにどうすれば良いかが浮かんでくるかもしれません。その瞬間こそがポジティブシンキングであると私は考えています。
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長くなってしまいましたが、今回の授業はここまで!
色々な単語が出てきましたが、またこれから随時解説していきますね。
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心の中で・・・「起立、礼、着席」